消えやすいシワと消えにくいシワがあるって本当?40代から知っておきたい「シワの深さ」と対策

結論:本当です。ただし、「完全に消えるシワ」と「絶対に消えないシワ」がはっきり分かれるわけではありません。乾燥で目立つ浅い線は整いやすく、深く刻まれたシワほど、改善には時間と方法の選択が必要になります。

鏡を見るたび、シワの見え方が違うのはなぜ?

朝はそれほど気にならなかったのに、夕方になると目元の細い線が目立ってくる。たっぷり保湿した翌日は少し薄く見えるのに、眉間や額の線はなかなか変わらない。40代になると、そんな「シワによる違い」に気づく方は少なくありません。

ここで大切なのは、シワをすべて同じものとして扱わないことです。シワは、肌表面の乾燥、表情による筋肉の動き、紫外線や加齢に伴う真皮の変化など、複数の要因が重なって現れます。だからこそ、目立ちやすさも、改善のしやすさも一つひとつ違うのです。

消えやすいシワと消えにくいシワはある?

あります。ただし医学的には、「消えやすい」「消えにくい」と二つに分けるより、原因や状態ごとに考えるほうが正確です。大きく次の3つに整理すると、理解しやすくなります。

  • 乾燥で目立つ浅い線:角層の水分が少ないと肌表面が粗くなり、細い線が強調されます。保湿によって、比較的見え方が変わりやすいタイプです。
  • 表情で現れる線:笑う、眉を寄せる、目を細めるなど、筋肉が動いたときに現れる「動的なシワ」です。初期のうちは、表情を戻すと目立ちにくくなります。
  • 安静時にも残るシワ:長年の紫外線、加齢、繰り返す表情などが重なり、皮膚の構造変化を伴っている場合があります。一般に、スキンケアだけで短期間に目立たなくするのは難しいタイプです。

参考文献:Aesthetic Procedures in Office Practice(American Family Physician)

乾燥による浅いシワはどうなる?

乾燥によって目立つ細い線は、肌に水分を与えて表面をなめらかに整えると、見た目が改善する可能性があります。ここで押さえておきたいのは、「保湿で真皮のシワそのものが消える」わけではなく、角層のうるおいが増すことで細い線が目立ちにくくなる、ということです。

2021年に報告された臨床研究では、30〜65歳の女性40人が、ヒアルロン酸を含む美容液を1日2回、6週間使用しました。機器による水分測定では塗布直後に水分量が増え、6週間後もベースラインより高い状態が保たれていました。医師による評価でも、6週間後には細い線やシワの見え方に改善が認められています。

ただし、この研究はプラセボ対照を置いた比較試験ではないため、「ヒアルロン酸だけの効果」と断定することはできません。保湿によって浅い線の見え方が整う可能性を示した研究、として受け止めるのが適切でしょう。

参考文献:Efficacy Evaluation of a Topical Hyaluronic Acid Serum in Facial Photoaging(Dermatology and Therapy, 2021)

深く刻まれたシワはなぜ消えにくい?

深いシワには、肌表面の乾燥だけでなく、真皮にあるコラーゲンなどの構造変化が関係しています。なかでも紫外線は、皮膚の老化を進める大きな外的要因の一つです。長年の紫外線曝露によってコラーゲンの産生低下や分解が進むと、肌を内側から支える力が弱くなり、シワが固定化しやすくなります。

そのため、化粧水やクリームで表面をうるおすことは大切ですが、すでに安静時にもはっきり見えている深いシワを、保湿だけで元の状態に戻すことは期待しにくいと考えられます。

参考文献:Photoaging: Update on Pathogenesis, Prevention, and Treatment(Annals of Dermatology, 2026)

表情ジワはそのままにすると残る?

額、眉間、目尻などの線は、はじめのうちは表情を動かしたときだけ見える「動的なシワ」として現れます。ところが、同じ場所で筋肉の収縮が繰り返され、そこに加齢や光老化による皮膚の変化が重なると、表情を戻しても見える「静的なシワ」へ移行することがあります。

とはいえ、「表情を作らなければシワにならない」と言い切れる根拠はありません。笑ったり表情を動かしたりすること自体を我慢する必要はなく、紫外線対策や保湿によって、皮膚側の老化要因を減らしていくほうが現実的です。

参考文献:Aesthetic Procedures in Office Practice(American Family Physician)

「シワは一度できたら戻らない」は本当?

「一度できたシワは何をしても戻らない」という言い方は、やや極端かもしれません。浅い線は保湿で目立ちにくくなることがありますし、光老化によるシワについても、医療で用いられる外用レチノイドなどで改善が確認されています。

2025年の系統的レビュー・メタ解析では、光老化した顔の皮膚を対象とした8件のランダム化比較試験、合計1,361人が解析されました。その結果、トレチノインの外用は基剤のみと比べて、細かいシワと粗いシワの両方を有意に改善したと報告されています。研究期間は16週間〜2年です。

一方で、これは医療で扱われる成分についての研究であり、市販の化粧品すべてに同じ結果を当てはめることはできません。また、刺激症状が起こることもあります。深いシワをしっかり改善したい場合は、自己判断で強い成分を使うのではなく、皮膚科や美容皮膚科に相談するという選択肢も持っておくと安心です。

参考文献:Tretinoin for Photodamaged Facial Skin: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials(Dermatology Practical & Conceptual, 2025)

40代からのシワ対策は何を優先する?

「今あるシワを全部消す」ことだけを目標にすると、強いケアを重ねて、かえって肌を刺激してしまうことがあります。まずは、これ以上シワを深くしにくい環境を整えながら、浅い線の見え方を整えていくことが基本です。

  • 毎日保湿する:乾燥で強調される細い線を目立ちにくくし、角層の状態を整えます。
  • 紫外線を防ぐ:UVA・UVBを含む日常的な紫外線対策は、光老化の進行を抑えるうえで欠かせません。
  • こすりすぎない:強い摩擦を避け、洗顔やクレンジングはやさしく行いましょう。摩擦だけでシワが生じると断定できる十分な臨床証拠はありませんが、刺激でバリア機能を乱さないという意味で、穏やかなケアは理にかなっています。
  • 深いシワは医療も選択肢にする:安静時にも残るシワや表情ジワは、原因に応じて医療的な治療が検討されます。

紫外線対策については、オーストラリアで55歳未満の成人903人を約4.5年間追跡したランダム化比較試験があります。毎日日焼け止めを使用した群は、必要なときだけ使用した群と比べて皮膚老化の進行が少なく、レビューではその差は約24%と整理されています。これは「すでにある深いシワが日焼け止めで消える」という意味ではなく、将来の光老化を抑える予防策として重要だ、という結果です。

参考文献:Daily photoprotection to prevent photoaging(Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine, 2021)

ツバメの巣とシワにはどんな研究がある?

ツバメの巣(Edible Bird’s Nest)については、シワに関するヒト試験も報告されています。ただし、「シワが消える食品」と短絡せず、研究で確認された範囲だけを丁寧に見ていくことが大切です。

2022年のランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、40〜60歳の女性86人を、ツバメの巣エキス100mgを1日1回摂取する群とプラセボ群に43人ずつ分け、12週間比較しました。機器で測定した目元の複数のシワ指標は、12週間後にツバメの巣群でプラセボ群より有意に低下しています。

一方、肌の水分量や弾力などの副次評価項目では、群間に有意差が確認されなかったものもあります。したがって、この1試験だけを根拠に「ツバメの巣なら深いシワまで消える」「保湿力が必ず高まる」と断定することはできません。40〜60歳の女性が特定のツバメの巣エキスを12週間摂取したところ、シワ指標の一部でプラセボより改善が確認された、というのが研究から言える範囲です。

参考文献:Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study(Frontiers in Pharmacology, 2022)

さらに2021年の基礎研究では、ツバメの巣エキスや酵素分解物を培養した角化細胞に加えると、肌のバリアと水分保持に関わるフィラグリン、フィラグリン2の発現が増えたと報告されています。ただし、これは細胞や皮膚組織を用いた基礎研究です。食べた人の肌で同じ作用がそのまま起こることを証明した研究ではありません。

参考文献:Edible Bird’s Nest…Possesses Moisturizing Effect by Regulating Expression of Filaggrin in Skin Keratinocyte(Frontiers in Pharmacology, 2021)

ツバメの巣を毎日の美容習慣に取り入れる

シワ対策の基本は、まず保湿と紫外線対策です。そのうえで、「外側からのケアだけでなく、毎日の食習慣も含めて美容を考えたい」という方にとっては、ツバメの巣も選択肢の一つになるかもしれません。

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結局、シワはどこまで改善できる?

「消えやすいシワと消えにくいシワがある」という考え方は、大まかには正しいと言えます。ただし、シワは一本一本をきれいに分類できるものではなく、乾燥、表情、紫外線、加齢といった要因が幾重にも重なっています。

乾燥で目立つ浅い線は保湿で見え方が変わりやすい一方、安静時にも残る深いシワは、肌内部の構造変化を伴っている可能性があり、スキンケアだけで短期間に消すのは難しくなります。だからこそ40代からは、「消すこと」だけを急がず、保湿と紫外線対策で新たなダメージを抑えながら、必要に応じて医療も含めて方法を選んでいくことが大切です。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 保湿すればシワは消えますか?

乾燥によって目立っている細かい線は、保湿で肌の水分量が高まることによって、目立ちにくくなる可能性があります。実際、保湿クリームを用いた臨床研究では、肌の水分量の増加とともに、細かい線やシワの見た目が改善したと報告されています。
ただし、すべてのシワが乾燥だけで生じているわけではありません。加齢に伴う皮膚組織の変化や、表情による皮膚の変形など、複数の要因がシワの形成に関係しています。そのため、深く刻まれたシワまで保湿だけで「消える」と考えるのは適切ではありません。
参考文献
Nisbet S, Mahalingam H, Gfeller CF, et al. Cosmetic benefit of a biomimetic lamellar cream formulation on barrier function or the appearance of fine lines and wrinkles in randomized proof-of-concept clinical studies. Int J Cosmet Sci. 2019;41(1):1-11.
McDaniel DH, Dover JS, Wortzman M, Nelson DB. In vitro and in vivo evaluation of a moisture treatment cream containing three critical elements of natural skin moisturization. J Cosmet Dermatol. 2020;19(5):1121-1128.
Zhao Y, Feng B, Lee J, Lu N, Pierce DM. A multi-layered model of human skin elucidates mechanisms of wrinkling in the forehead. J Mech Behav Biomed Mater. 2020;105:103694.
2026/09/8 出口詩朋子

Q2. 朝は薄く夕方に目立つシワは乾燥ジワですか?

朝より夕方にシワが目立つからといって、それだけで「乾燥ジワ」と判断することはできません。
日本人の男女38人を対象に、朝と午後の顔のシワを比較した研究では、額・目尻・ほうれい線のいずれも、朝より午後のほうがシワが有意に目立つと報告されています。研究者らは、睡眠中の水分移動によって朝は顔がむくみやすいことや、日中に繰り返される表情の動きなどが関係している可能性を指摘しています。
つまり、「夕方に目立つ=乾燥だけが原因」とは限りません。乾燥のほか、表情、むくみ、肌の弾力、その日のコンディションなど、複数の要因によってシワの見え方は変化すると考えたほうがよいでしょう。
参考文献
Tsukahara K, Moriwaki S, Hotta M, Fujimura T, Kitahara T. A study of diurnal variation in wrinkles on the human face. Arch Dermatol Res. 2004;296(4):169-174.
2026/09/8 出口詩朋子

Q3. 笑いジワはそのままにすると深くなりますか?

表情をつくったときだけ現れる「表情ジワ」が、年月とともに、表情をつくっていないときにも残るシワへ移行していくことは報告されています。
同じ人たちの顔のシワを8年間追跡した研究では、開始時に笑ったときに現れていた表情線のパターンが、8年後に無表情の状態で見られる持続的なシワのパターンとよく対応していました。繰り返される表情による皮膚の折れ曲がりが、持続的なシワの形成に関係すると考えられています。
ただし、これは「シワを防ぐために笑わないほうがよい」という意味ではありません。シワの形成には表情だけでなく、加齢、紫外線、肌の乾燥状態などさまざまな要因が関係します。笑顔を我慢するのではなく、紫外線対策や保湿など、肌への負担を減らす基本的なケアを続けることが大切です。
参考文献
Hillebrand GG, Liang Z, Yan X, Yoshii T. New wrinkles on wrinkling: an 8-year longitudinal study on the progression of expression lines into persistent wrinkles. Br J Dermatol. 2010;162(6):1233-1241.
Fujimura T, Hotta M. The preliminary study of the relationship between facial movements and wrinkle formation. Skin Res Technol. 2012;18(2):219-224.
2026/09/8 出口詩朋子

Q4. 40代からでもシワ対策は遅くないですか?

遅くありません。シワを完全になくせるとは限りませんが、40代以降でも、これ以上の光老化をできるだけ抑えるための対策には意味があります。
代表的なのが紫外線対策です。903人の成人を対象にした無作為化比較試験では、日焼け止めを毎日使用したグループは、必要に応じて使用したグループと比較して、約4.5年間の追跡で皮膚老化の進行が少なかったと報告されています。
保湿も基本のひとつです。保湿剤を用いた臨床研究では、角層の水分量の増加とともに、細かい線やシワの見た目の改善も報告されています。
40代からでも、毎日の紫外線対策と保湿を基本にして、これからの肌を守っていくことが大切です。
参考文献
Hughes MCB, Williams GM, Baker P, Green AC. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-790.
Nisbet S, Mahalingam H, Gfeller CF, et al. Cosmetic benefit of a biomimetic lamellar cream formulation on barrier function or the appearance of fine lines and wrinkles in randomized proof-of-concept clinical studies. Int J Cosmet Sci. 2019;41(1):1-11.
2026/09/8 出口詩朋子

Q5. ツバメの巣を食べればシワは改善しますか?

改善する可能性を示した研究はありますが、「ツバメの巣を食べれば必ずシワが改善する」とまでは言えません。
40〜60歳の女性を対象に行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、ツバメの巣抽出物100mgを1日1回、12週間摂取したグループで、プラセボ群と比較してシワの指標に改善が認められました(105人が登録され、解析対象は86人)。
ただし、これは特定のツバメの巣抽出物を用いた単一施設の研究であり、報告数もまだ限られています。そのため、すべてのツバメの巣製品や、すべての人に同じ結果が得られるとは言えません。
ツバメの巣は、保湿や紫外線対策に置き換わるものではなく、基本的なスキンケアや生活習慣を続けたうえで、内側からの美容を支える補助的な選択肢の一つとして考えるのが適切でしょう。
参考文献
Kim HM, Lee YM, Kim EH, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study. Front Pharmacol. 2022;13:843469.
2026/09/8 出口詩朋子

※本記事は美容・皮膚科学に関する一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。強い肌症状がある場合や、治療を希望するシワについては、皮膚科などの医療機関へご相談ください。

著者情報
出口 詩朋子(でぐち しほこ)
乾燥肌・シワ研究チーム 研究員
ツバメの巣研究所 研究員
ATHENA株式会社(HESTIAP 美容リサーチャー)

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