シワケア
緑茶カテキンはシワ対策に役立つ?EGCGと紫外線・肌老化の研究を解説

緑茶カテキンは、紫外線による肌ダメージを抑える可能性があります。ただし、飲むだけでシワが改善すると断定できるほどの臨床根拠は、まだ十分ではありません。
緑茶を飲んでいればシワ対策になる?
「緑茶は体によさそう」「カテキンは抗酸化成分らしい」と聞いたことはあっても、シワとの関係まで説明できる方は少ないのではないでしょうか。40代になると、乾燥だけでなく紫外線の積み重ねによるハリ不足や細かなシワも気になりやすくなります。そこで注目されるのが、緑茶に含まれるカテキン、とくにEGCGです。
ただし、美容成分は「研究がある」ことと「実際にシワが改善すると証明されている」ことを分けて考える必要があります。緑茶カテキンには有望な研究がある一方、効果が確認できなかった試験もあります。この記事では、良い結果だけを拾わず、現在わかっている範囲を整理します。
緑茶カテキンとは?
緑茶カテキンとは、茶葉(Camellia sinensis)に含まれるポリフェノールの一群です。代表的なのはEGCG(エピガロカテキンガレート)、EGC、ECG、ECで、この中でもEGCGは緑茶の主要なカテキンとして多く研究されています。製品や抽出方法によって含有量は大きく変わるため、「緑茶1杯=研究で使われた量」と単純に置き換えることはできません。
2024年のレビューでは、EGCGを中心とした緑茶カテキンについて、紫外線による酸化ストレス、炎症、コラーゲン分解に関わる経路などを対象とした細胞・動物・ヒト研究が整理されています。ただし、作用機序の多くは細胞や動物で得られた知見であり、そのまま人のシワ改善効果を意味するわけではありません。
参考文献
Sun J, Jiang Y, Fu J, He L, Guo X, Ye H, et al. Beneficial Effects of Epigallocatechin Gallate in Preventing Skin Photoaging: A Review. Molecules. 2024;29(22):5226.
EGCGは肌でどう働く?
紫外線を浴びると、皮膚では活性酸素(ROS)が増え、炎症に関わる反応や、コラーゲンなどを分解するMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)系の働きが高まります。こうした変化が繰り返されると、真皮の構造が乱れ、光老化によるシワや弾力低下につながります。EGCGは実験研究で、抗酸化作用や炎症関連シグナル、MMPの発現に関わる可能性が示されています。
ただし、ここで大切なのは「EGCGが抗酸化成分だから、飲めばシワが消える」とは言えないことです。ヒトで確認されているのは、紫外線による赤みや皮膚構造の一部、肌の粗さ・水分状態などに対する変化であり、研究条件も摂取量も一定ではありません。
参考文献
Di Sotto A, Gullì M, Percaccio E, Vitalone A, Mazzanti G, Di Giacomo S. Efficacy and Safety of Oral Green Tea Preparations in Skin Ailments: A Systematic Review of Clinical Studies. Nutrients. 2022;14(15):3149.
飲む緑茶カテキンで肌はどうなる?
有望な結果としてよく引用されるのが、40~65歳の女性60人を対象にした12週間の二重盲検プラセボ対照試験です。参加者は、1日1402mgの総カテキン(うちEGCG約980mg)を含む飲料、または対照飲料を摂取しました。緑茶カテキン群では、紫外線照射後の紅斑が6週で16%、12週で25%減少し、肌の粗さ、落屑、水分状態、密度などにも改善がみられました。
参考文献
Heinrich U, Moore CE, De Spirt S, Tronnier H, Stahl W. Green tea polyphenols provide photoprotection, increase microcirculation, and modulate skin properties of women. J Nutr. 2011;141(6):1202-1208.
ただし、この試験で使われた量は通常の緑茶を気軽に飲む場合とは大きく異なります。また、研究用に調整された飲料であり、「家庭で緑茶を飲めば同じ結果になる」とは判断できません。
一方、健康な成人50人を対象に、緑茶カテキン1080mg/日とビタミンC100mg/日を12週間摂取した無作為化二重盲検試験では、紫外線による紅斑、白血球浸潤、炎症性脂質メディエーターにプラセボとの差は認められませんでした。つまり、高用量を摂っても、紫外線炎症を明確に抑えられなかった研究もあります。
参考文献
Farrar MD, Nicolaou A, Clarke KA, Mason S, Massey KA, Dew TP, et al. A randomized controlled trial of green tea catechins in protection against ultraviolet radiation-induced cutaneous inflammation. Am J Clin Nutr. 2015;102(3):608-615.
同じ研究群を用いた2022年の解析では、紫外線で低下した皮膚の弾性線維関連タンパク質「fibulin-5」の変化は緑茶カテキン群で抑えられましたが、コラーゲンや他の弾性線維成分では群間差がありませんでした。研究者も、保護効果は特定の構成成分に限られたと結論づけています。
参考文献
Charoenchon N, Rhodes LE, Nicolaou A, Williamson G, Watson REB, Farrar MD. Ultraviolet radiation-induced degradation of dermal extracellular matrix and protection by green tea catechins: a randomized controlled trial. Clin Exp Dermatol. 2022;47(7):1314-1323.
塗る緑茶カテキンでも効果はある?
外側からの使用についても研究があります。正常なボランティアの皮膚に緑茶抽出物や各カテキンを塗り、その30分後に紫外線を照射した研究では、緑茶抽出物は紫外線による赤みを用量依存的に抑え、成分ではEGCGとECGが比較的強い反応を示しました。これは「急性の紫外線ダメージに対する保護」を調べた研究であり、すでにあるシワを改善する試験ではありません。
参考文献
Elmets CA, Singh D, Tubesing K, Matsui M, Katiyar S, Mukhtar H. Cutaneous photoprotection from ultraviolet injury by green tea polyphenols. J Am Acad Dermatol. 2001;44(3):425-432.
また、中等度の光老化がある女性40人を対象に、10%緑茶クリームと経口緑茶抽出物を8週間併用した試験では、皮膚組織の弾性線維には改善がみられたものの、見た目の臨床評価ではプラセボとの差が確認されませんでした。緑茶群では刺激感の自己評価が高かった点にも注意が必要です。
参考文献
Chiu AE, Chan JL, Kern DG, Kohler S, Rehmus WE, Kimball AB. Double-blinded, placebo-controlled trial of green tea extracts in the clinical and histologic appearance of photoaging skin. Dermatol Surg. 2005;31(7 Pt 2):855-860.
飲むのと塗るのではどちらがよい?
現時点では「飲む方が優れる」「塗る方が優れる」と断定できません。経口摂取ではカテキン代謝物が皮膚組織や皮膚液に検出された研究があり、体内から皮膚へ届くことは確認されています。一方、外用は皮膚へ直接使える反面、EGCGは光や温度、pHの影響を受けやすく、製剤の安定性や皮膚への浸透が課題です。
参考文献
Rhodes LE, Darby G, Massey KA, Clarke KA, Dew TP, Farrar MD, et al. Oral green tea catechin metabolites are incorporated into human skin and protect against UV radiation-induced cutaneous inflammation in association with reduced production of pro-inflammatory eicosanoid 12-hydroxyeicosatetraenoic acid. Br J Nutr. 2013;110(5):891-900.
Sun J, Jiang Y, Fu J, He L, Guo X, Ye H, et al. Beneficial Effects of Epigallocatechin Gallate in Preventing Skin Photoaging: A Review. Molecules. 2024;29(22):5226.
そのため、シワ対策の中心はあくまで「紫外線を避ける・日焼け止めを使う・保湿する」といった基本ケアです。緑茶カテキンは、それらに追加する補助的な選択肢として考えるのが現実的です。
緑茶カテキンを生活に取り入れるには?
もっとも始めやすいのは、普段の飲み物として無糖の緑茶を取り入れる方法です。研究で使われた高用量を再現しようとする必要はありません。緑茶は食品なので、サプリメントより摂取量が急に高くなりにくいという利点があります。カフェインが気になる方は、夕方以降の量や濃さを調整するとよいでしょう。
外側から取り入れたい場合は、緑茶エキスやEGCGを配合した化粧品を選ぶ方法があります。ただし、配合濃度だけで効果を判断することは難しく、製剤の安定性も関係します。敏感肌の方は、少量から試し、赤みや刺激が出たら使用を中止してください。
サプリメントを利用する場合は、「緑茶エキス○mg」だけでなく、EGCG量や1日摂取目安を確認することが大切です。美容目的で研究用の高用量を自己判断で再現することはおすすめできません。
取り入れるときの注意点は?
緑茶を飲料として適量飲むことは、成人では一般に安全とされています。ただしカフェインを含むため、眠りが浅くなる、動悸を感じるなどの方は摂取時間や量に注意が必要です。濃縮した緑茶エキスのサプリメントでは、吐き気、腹部不快感などに加え、まれに肝障害が報告されています。
参考文献
National Center for Complementary and Integrative Health. Green Tea: Usefulness and Safety. Bethesda: NCCIH.
欧州食品安全機関(EFSA)は、緑茶飲料由来のカテキンは一般に安全とする一方、サプリメントからEGCGを1日800mg以上摂る場合は肝臓への懸念があると評価しています。800mg未満なら安全と断言した、という意味ではありません。薬を服用中の方や肝疾患がある方は、濃縮エキスを始める前に医師・薬剤師へ相談してください。
参考文献
European Food Safety Authority. EFSA assesses safety of green tea catechins. Parma: EFSA News; 18 April 2018.
そして最も重要なのは、緑茶カテキンを「飲む日焼け止め」と考えないことです。ヒト試験の結果は一貫しておらず、紫外線対策の基本である日焼け止め、帽子、日陰の利用などを置き換える根拠はありません。
ツバメの巣も内側からのシワ対策になる?
緑茶カテキンとは別のアプローチですが、食用ツバメの巣(Edible Bird’s Nest)についても、肌のシワを対象にしたヒト研究があります。2022年の無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、40~60歳の女性86人が、ツバメの巣抽出物100mg/日またはプラセボを12週間摂取しました。
12週後、機器で測定した複数のシワ指標はツバメの巣群でプラセボ群より有意に低下しました。一方、肌弾力と水分量には群間で有意差がなく、研究は単施設で特定の抽出物を用いた試験です。したがって「ツバメの巣ならどの商品でも同じ」「シワが必ず改善する」と一般化することはできません。
参考文献
Kim HM, Lee YM, Kim EH, Eun SW, Sung HK, Ko H, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study. Front Pharmacol. 2022;13:843469.
また、UVBを照射したマウスを使った研究では、ツバメの巣抽出物の摂取により、肌の水分量、経皮水分蒸散量、コラーゲン・エラスチン関連指標、MMP関連経路などに変化が報告されています。ただし、これは動物研究であり、人の美容効果を直接証明するものではありません。
参考文献
Park S, Kim IS, Park SY, Seo SA, Yang JE, Hwang E. The Protective Effect of Edible Bird’s Nest against the Immune-senescence Process of UVB-irradiated Hairless Mice. Photochem Photobiol. 2022;98(4):949-957.
緑茶カテキンとツバメの巣は成分も研究の方向性も異なります。どちらか一つで肌悩みを解決しようとするのではなく、紫外線対策、保湿、睡眠や食事などの土台を整えたうえで、内側からの美容習慣を選ぶことが大切です。
ツバメの巣を美容習慣に取り入れるには?
ツバメの巣を毎日の習慣として取り入れたい方には、ツバメの巣ゼリーという選択肢もあります。研究で使われた抽出物と市販品は同一ではないため、研究結果をそのまま商品の効果として置き換えることはできません。その点を理解したうえで、原材料や品質、続けやすさを確認して選んでください。HESTIAP ツバメの巣ゼリー公式サイト(※広告です)
結局、緑茶カテキンはシワ対策に役立つ?
緑茶カテキン、とくにEGCGは、紫外線による酸化ストレスや炎症、皮膚構造の変化に関わる成分として研究されています。40代女性を含むヒト試験では、紫外線による赤み、肌の粗さ、水分状態などに良い変化がみられた報告があります。
しかし、紫外線炎症を有意に抑えられなかった試験や、見た目の光老化改善が確認できなかった試験もあります。現段階では「緑茶カテキンを摂ればシワが改善する」と断定するのではなく、日焼け止めや保湿を基本にしながら、緑茶や配合化粧品を補助的に取り入れるのが妥当です。高用量の濃縮サプリメントは、安全性にも注意してください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1.EGCGは緑茶カテキンの中でシワ対策に最も期待できる成分ですか?
A.EGCGは最も研究が多い主要カテキンの一つです。ただし、人で「EGCG単独がシワを改善する」と確立したわけではありません。紫外線ダメージへの研究が中心です。
参考文献
Elmets CA, Singh D, Tubesing K, Matsui M, Katiyar S, Mukhtar H. Cutaneous photoprotection from ultraviolet injury by green tea polyphenols. J Am Acad Dermatol. 2001;44(3):425-432.
2026/09/18 出口詩朋子
Q2.緑茶を毎日飲めばシワは減りますか?
A.減るとは断定できません。40~65歳女性の試験では肌状態の改善が報告されましたが、別の試験では紫外線炎症への有意な効果が確認されず、結果は一貫していません。
参考文献
Heinrich U, Moore CE, De Spirt S, Tronnier H, Stahl W. Green tea polyphenols provide photoprotection, increase microcirculation, and modulate skin properties of women. J Nutr. 2011;141(6):1202-1208.
Farrar MD, Nicolaou A, Clarke KA, Mason S, Massey KA, Dew TP, et al. A randomized controlled trial of green tea catechins in protection against ultraviolet radiation-induced cutaneous inflammation. Am J Clin Nutr. 2015;102(3):608-615.
2026/09/18 出口詩朋子
Q3.緑茶カテキンは日焼け止めの代わりになりますか?
A.代わりにはなりません。経口カテキンの紫外線防御効果は研究されていますが、効果は限定的で結果も一定ではありません。日焼け止めや衣類などの紫外線対策が基本です。
参考文献
Charoenchon N, Rhodes LE, Nicolaou A, Williamson G, Watson REB, Farrar MD. Ultraviolet radiation-induced degradation of dermal extracellular matrix and protection by green tea catechins: a randomized controlled trial. Clin Exp Dermatol. 2022;47(7):1314-1323.
2026/09/18 出口詩朋子
Q4.EGCG配合化粧品は敏感肌でも使えますか?
A.使える場合もありますが、刺激が出る可能性があります。緑茶クリームを用いた試験では刺激感が高かったため、敏感肌は少量から試し、赤みやヒリつきが出たら中止してください。
参考文献
Chiu AE, Chan JL, Kern DG, Kohler S, Rehmus WE, Kimball AB. Double-blinded, placebo-controlled trial of green tea extracts in the clinical and histologic appearance of photoaging skin. Dermatol Surg. 2005;31(7 Pt 2):855-860.
2026/09/18 出口詩朋子
Q5.緑茶カテキンサプリメントは安全ですか?
A.濃縮サプリは飲料より注意が必要です。まれに肝障害が報告され、EFSAはサプリ由来EGCG 800mg/日以上に懸念を示しています。薬を服用中の方は医療者へ相談してください。
参考文献
National Center for Complementary and Integrative Health. Green Tea: Usefulness and Safety. Bethesda: NCCIH.
European Food Safety Authority. EFSA assesses safety of green tea catechins. Parma: EFSA News; 18 April 2018.
2026/09/18 出口詩朋子
著者情報
出口 詩朋子(でぐち しほこ)
乾燥肌・シワ研究チーム 研究員
ツバメの巣研究所 研究員
ATHENA株式会社(HESTIAP 美容リサーチャー)



