乾燥肌ケア
カフェインの摂りすぎと乾燥肌は関係あるの?40代女性が知っておきたい本当の関係

結論からいうと、適量のカフェインを摂るだけで乾燥肌になる、とは確認されていません。ただし、摂りすぎて睡眠が乱れてしまうと、間接的に肌のうるおいへ影響する可能性はあります。
コーヒーを飲むと肌が乾くって本当?
「コーヒーを飲むとトイレが近くなるから、水分が抜けて肌も乾いてしまうのでは?」と心配になったことはありませんか。とくに40代に入ると、以前より肌のつっぱりや粉ふきが気になり、「毎日の楽しみだったコーヒーまで控えたほうがいいのかな」と迷ってしまう方もいらっしゃると思います。
美容情報では「カフェインは乾燥肌の原因」と短く言い切られることがあります。けれども、現在の研究をそのまま読むと、そこまで単純な話ではありません。大切なのは、カフェインそのものの作用と、摂りすぎたときに起こりうる生活への影響を、分けて考えることです。
カフェインを摂ると乾燥肌になる?
現時点では、「カフェインを摂取すると直接、乾燥肌になる」と示した十分なヒト研究はありません。
たしかにカフェインには、一時的に尿量を増やす作用があります。ただ、普段からコーヒーやお茶を飲んでいる人ではその作用に慣れが生じやすく、適量の摂取で体の水分が慢性的に不足するとは考えにくいことが示されています。
つまり「カフェインには利尿作用がある」という事実だけを根拠に、「だから肌の水分まで減って乾燥肌になる」と結論づけることはできないのです。
参考文献:Killer SC, et al. No Evidence of Dehydration with Moderate Daily Coffee Intake. PLOS ONE. 2014.
コーヒーは体を脱水させる?
よく引用される研究の一つに、日常的にコーヒーを飲んでいる成人男性50人を対象としたクロスオーバー試験があります。参加者は、1日に800mLのコーヒー(平均約308mgのカフェイン)を飲む期間と、同じ量の水を飲む期間の両方を経験しました。
その結果、総体水分量、24時間尿量、血液や尿の水分状態を示す指標のいずれにも、コーヒーと水で有意な差は確認されませんでした。研究者は、習慣的にカフェインを摂っている人が適量のコーヒーを飲んでも、水と比べて水分状態を悪化させることはなかったと結論づけています。
ただし、対象となったのは男性で、もともとコーヒーを飲む習慣のある人たちです。そのため、すべての40代女性にそのまま当てはまるとは限りません。それでも、「コーヒーを飲めば必ず脱水する」という一般化を支持する結果ではない、という点は押さえておきたいところです。
参考文献:Killer SC, et al. PLOS ONE. 2014.
カフェインの摂りすぎではどうなる?
一度に多量のカフェインを摂った場合は、少し話が変わります。レビュー研究では、カフェインを数日〜数週間控えていた人が250〜300mg以上を急に摂ると、短時間、尿量が増えることがあるとされています。一方で、日常的に摂取している人では、この利尿作用はかなり弱くなると報告されています。
また、16研究をまとめたメタ解析では、カフェインを摂ったときの尿量が、摂らないときと比べて平均約109mL増えていました。これは「多少尿が増えることはある」ことを示す結果ですが、そこから皮膚が乾燥するとまでは証明されていません。
参考文献:Maughan RJ, Griffin J. Caffeine ingestion and fluid balance: a review. / Zhang Y, et al. Caffeine and diuresis during rest and exercise: A meta-analysis.
なぜ「カフェインで肌が乾く」と言われる?
この説が広まりやすいのは、「カフェインには利尿作用がある」という一部の事実が、「体が脱水する」「皮膚の水分が減る」「乾燥肌になる」と段階的に結びつけられてしまうためだと考えられます。
しかし、体全体の水分状態と、皮膚表面のうるおいは同じものではありません。皮膚の乾燥には、角層のバリア機能、皮脂の量、空気の乾燥、洗浄の習慣、紫外線、加齢など、実に多くの要因が関係しています。
さらに、「水をたくさん飲めば乾燥肌が必ず改善する」という考えにも、強い根拠があるわけではありません。健康な成人を対象とした系統的レビューでは、水分摂取を増やすことで角層水分量がわずかに上がる可能性は示されたものの、研究の数と質は十分ではなく、とくに年齢が高い人でも同じ効果があるかは分かっていないとされています。
参考文献:Akdeniz M, Tomova-Simitchieva T, Dobos G, Blume-Peytavi U, Kottner J. Does dietary fluid intake affect skin hydration in healthy humans? A systematic literature review. Skin Res Technol. 2018;24(3):459-465.
Palma L, Marques LT, Bujan J, Rodrigues LM. Dietary water affects human skin hydration and biomechanics. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015;8:413-421.
コーヒーそのものは肌に悪い?
「カフェイン入りのコーヒー=肌に悪い」とも、言い切ることはできません。コーヒーにはカフェイン以外にも、ポリフェノールをはじめとする多くの成分が含まれているからです。
軽い乾燥肌のある女性49人を対象にした二重盲検プラセボ対照試験では、コーヒー豆由来のポリフェノールを8週間摂取した群で、角層水分量の増加、経皮水分蒸散量(TEWL)の低下、乾燥スコアの改善が確認されました。これはカフェインの効果を調べた研究ではなく、あくまでコーヒー由来ポリフェノールの研究です。そのため「コーヒーを飲めば乾燥肌が改善する」とまでは言えませんが、少なくともコーヒーをひとくくりに“乾燥肌に悪い飲み物”とする説明には、慎重になったほうがよさそうです。
乾燥肌で気をつけたいのは睡眠?
カフェインと乾燥肌を考えるうえで、むしろ気にかけたいのが睡眠です。カフェインを遅い時間に摂ると、眠りに影響することがあります。
400mgのカフェインを就寝0時間前、3時間前、6時間前に摂取してもらった試験では、就寝6時間前の摂取でも睡眠時間が短くなりました。ただし400mgは比較的多い量であり、少量でも必ず同じ影響が出るという意味ではありません。欧州食品安全機関(EFSA)も、成人では100mg程度であっても、就寝に近い時間の摂取は睡眠時間や睡眠パターンに影響する可能性があるとしています。
そして、睡眠不足と肌については、より直接的なデータがあります。40代の韓国人女性32人に、1週目は1日8時間、2週目は1日4時間の睡眠を6日間続けてもらった研究では、睡眠を制限したあとに肌の水分量が有意に低下し、その低下は日数とともに進みました。
つまり、「カフェインが肌の水分を直接奪う」というよりも、夕方以降のカフェインで睡眠が乱れる方では、その睡眠不足を介して肌の状態に影響する可能性を考えるほうが、現在のエビデンスには合っているのです。
参考文献:Drake C, et al. Caffeine Effects on Sleep Taken 0, 3, or 6 Hours before Going to Bed. / Kim MA, et al. A study of skin characteristics with long-term sleep restriction in Korean women in their 40s. / European Food Safety Authority (EFSA): Caffeine.
乾燥肌が気になる人はどう飲む?
乾燥肌だからといって、好きなコーヒーをすぐにやめる必要はありません。まず見直したいのは「カフェインを飲んだかどうか」ではなく、「量・時間帯・自分の睡眠への影響」の3つです。
健康な成人について、EFSAは1日400mgまでのカフェイン摂取なら一般に安全上の懸念は生じないとしています。ただし、これは乾燥肌を防ぐための基準ではなく、あくまで健康上の安全性に関する目安です。カフェインへの感受性には個人差がありますので、動悸、不眠、胃の不快感などが出る方は、より少ない量でも調整が必要です。
肌の乾燥が気になるときは、カフェインだけを犯人にしないことが大切です。保湿剤によるスキンケア、洗いすぎの見直し、室内の湿度、紫外線対策、十分な睡眠など、肌のバリア機能に関わる要素を総合的に整えていきましょう。
参考文献:European Food Safety Authority (EFSA): Caffeine.
ツバメの巣は乾燥肌に役立つ?
内側からの美容を考えるなかで、ツバメの巣(Edible Bird’s Nest)についても皮膚に関する研究が進んでいます。ただし、ここでも研究結果を分けて見ていくことが大切です。
2026年にJournal of Functional Foodsで報告された研究では、成人がツバメの巣を90日間摂取した群で、対照群と比べて角層水分量、弾力、つやの改善が報告されました。角層水分量は30日、90日と段階的に増加し、群と時間の交互作用も有意でした。一方、この論文にはマウスを使った実験も含まれており、EGFR-AQP5経路などの作用機序については、主に動物・基礎研究から検討されています。ヒトで同じ仕組みが確定したとまでは言えません。
また、2022年に40〜60歳の女性86人を対象として行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、ツバメの巣エキス100mgを12週間摂取した群でシワ指標の改善が確認された一方、皮膚水分量についてはプラセボ群との有意差はありませんでした。
したがって、「ツバメの巣を摂れば乾燥肌が治る」と断定できる段階ではありません。とはいえ近年は、ヒト試験で皮膚水分量を評価した研究も出てきています。内側からの美容素材として、今後の検証が期待される成分の一つと言えるでしょう。
参考文献:Dietary edible bird’s nest improves skin hydration by upregulating EGFR-AQP5 pathway. Journal of Functional Foods. 2026. / Kim HM, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract. Frontiers in Pharmacology. 2022.
ツバメの巣を毎日の美容習慣に取り入れる
乾燥肌対策の基本は、まず外側からの保湿や生活習慣を整えることです。そのうえで、内側からの美容習慣にも関心がある方は、ツバメの巣を使った食品を選択肢の一つとして調べてみるのもよいかもしれません。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. コーヒーを毎日飲むと乾燥肌になりますか?
適量のコーヒーを毎日飲むことだけが原因で乾燥肌になる、ということを示した十分な科学的根拠はありません。
習慣的にコーヒーを飲んでいる健康な男性50人を対象に、コーヒーと水を比較した試験があります。1日4杯(200mL×4杯、カフェイン量は体重1kgあたり4mg)を3日間続けても、体内の総水分量や24時間尿量といった水分状態の指標に、水を飲んだ場合との有意な差は認められませんでした。
ただし、この研究は「皮膚の乾燥」を直接調べたものではなく、対象も習慣的にコーヒーを飲む男性に限られています。そのため、「コーヒーは乾燥肌にまったく影響しない」とまで断定することはできません。
また、カフェインによって睡眠が乱れている場合は、間接的に肌のコンディションへ影響する可能性があります。コーヒーの量だけでなく、飲む時間帯にも注意するとよいでしょう。
参考文献
Killer SC, Blannin AK, Jeukendrup AE. No evidence of dehydration with moderate daily coffee intake: a counterbalanced cross-over study in a free-living population. PLoS One. 2014;9(1):e84154.
2026/09/8 出口詩朋子
Q2. カフェインには利尿作用があるのですか?
あります。ただし、「カフェインを摂れば必ず脱水する」というほど単純ではありません。
カフェインと水分バランスに関する研究をまとめたレビューでは、普段カフェインを摂っていない人が、およそ250〜300mgを超える量を一度に摂取した場合に、短時間、尿量が増える可能性があると報告されています。
一方、コーヒーやお茶などから日常的にカフェインを摂っている人では、利尿作用に対する耐性が生じ、その作用は弱くなる傾向があります。また、通常の1杯程度に含まれる量で、摂取した水分量を上回る水分が失われて脱水状態になるという根拠は、十分ではありません。
参考文献
Maughan RJ, Griffin J. Caffeine ingestion and fluid balance: a review. J Hum Nutr Diet. 2003;16(6):411-420.
2026/09/8 出口詩朋子
Q3. 乾燥肌ならカフェインを完全にやめたほうがいいですか?
乾燥肌であることだけを理由に、コーヒーやカフェインを完全にやめる必要があるという十分な科学的根拠はありません。
習慣的にコーヒーを飲む人を対象とした研究では、適度なコーヒー摂取によって、水と比べて体全体の水分状態が悪化することは確認されませんでした。
一方、乾燥肌の対策では、皮膚の水分量を保ち、バリア機能を整えるスキンケアが重要です。乾皮症(xerosis cutis)についてドイツの皮膚科専門家がまとめたポジションペーパーでも、原因となる刺激を避けること、そして水分を保つ成分と脂質の両方を含む保湿剤で適切にケアすることが基本とされています。
そのため、まずは保湿、肌に負担をかけすぎない洗浄、生活環境などを見直しましょう。そのうえで、カフェインによって寝つきが悪くなっている、睡眠時間が短くなっていると感じる場合は、摂取量や飲む時間帯を調整するのが現実的です。
参考文献
Killer SC, Blannin AK, Jeukendrup AE. No evidence of dehydration with moderate daily coffee intake: a counterbalanced cross-over study in a free-living population. PLoS One. 2014;9(1):e84154.
Augustin M, Wilsmann-Theis D, Körber A, et al. Diagnosis and treatment of xerosis cutis – a position paper. J Dtsch Dermatol Ges. 2019;17 Suppl 7:3-33.
2026/09/8 出口詩朋子
Q4. 水をたくさん飲めば乾燥肌は改善しますか?
水をたくさん飲めば必ず乾燥肌が改善する、とは言えません。
飲水量と肌の水分状態を調べたシステマティックレビューでは、水分摂取量を増やすことで角層や皮膚の水分量がわずかに増加する可能性が示されています。ただし、対象となった研究は少なく、研究方法にも限界があるため、エビデンスの量と質は十分ではないと結論づけられています。
また、健康な女性49人(平均24.5歳)を対象とした研究では、通常の食事に約2Lの水を1か月追加したところ、角層の浅い層・深い層の水分量に有意な変化がみられ、もともとの水分摂取量が少ない人ほど変化が大きい傾向が報告されています。
つまり、「水を2L飲めば乾燥肌が治る」というほど単純ではありません。水分摂取が不足している人は適切な水分補給を心がけつつ、乾燥肌対策としては外側からの保湿ケアも併せて行うことが大切です。
参考文献
Akdeniz M, Tomova-Simitchieva T, Dobos G, Blume-Peytavi U, Kottner J. Does dietary fluid intake affect skin hydration in healthy humans? A systematic literature review. Skin Res Technol. 2018;24(3):459-465.
Palma L, Marques LT, Bujan J, Rodrigues LM. Dietary water affects human skin hydration and biomechanics. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2015;8:413-421.
2026/09/8 出口詩朋子
Q5. 夕方以降のコーヒーは乾燥肌に影響しますか?
夕方以降にコーヒーを飲むことが、直接乾燥肌を起こすと証明されているわけではありません。ただし、カフェインによって睡眠が妨げられる人は注意したほうがよいでしょう。
カフェインと睡眠について24の研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析では、カフェインを摂取すると総睡眠時間が平均45分短くなり、入眠までの時間が約9分延びることが報告されています。就寝までの時間が1時間長くなるごとに睡眠時間への影響は小さくなるものの、就寝よりかなり前の摂取でも影響が残る可能性があります。
肌との関係では、40代の韓国人女性32人を対象に、8時間睡眠を6日間続けた期間と、4時間睡眠を6日間続けた期間を比較した研究があります。睡眠を4時間に制限すると、1日目から肌の水分量が有意に低下し、その後も低下が続いたと報告されました。肌の弾力やシワなどにも悪化が認められています。
そのため、夕方以降にコーヒーを飲むと寝つきが悪くなる、眠りが浅くなると感じる人は、乾燥肌対策という意味でも、コーヒーを飲む時間を早めてみる価値があります。
参考文献
Gardiner C, Weakley J, Burke LM, et al. The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2023;69:101764.
Jang SI, Lee M, Han J, et al. A study of skin characteristics with long-term sleep restriction in Korean women in their 40s. Skin Res Technol. 2020;26(2):193-199.
2026/09/8 出口詩朋子
まとめ:カフェインだけを乾燥肌の原因にしない
カフェインには利尿作用がありますが、適量の摂取で体が慢性的に脱水し、その結果として乾燥肌になるという十分な証拠はありません。「コーヒー=乾燥肌」と決めつけて、好きな一杯を我慢する必要はないでしょう。
一方で、カフェインを摂りすぎたり、遅い時間に飲んだりして睡眠が乱れる場合は、肌のうるおいに間接的な影響が出る可能性があります。40代の乾燥肌対策では、一つの食品だけを避けるよりも、保湿・睡眠・生活環境を含めて整えていくことが大切です。
著者情報
出口 詩朋子(でぐち しほこ)
乾燥肌・シワ研究チーム 研究員
ツバメの巣研究所 研究員
ATHENA株式会社(HESTIAP 美容リサーチャー)



