洗顔とメイクで乾燥肌になる?30〜40代女性が見直したい「落とし方」とやさしい保湿ケア

洗顔やメイクは、それ自体が悪いのではありません。強い洗浄、こすりすぎ、肌に合わない化粧品が重なると、肌のバリア機能を乱し、乾燥を招くことがあります。

洗顔後につっぱるのはなぜ?

朝はしっとりしていたのに、洗顔した直後から頬がつっぱる。夜、メイクを落とすと急にカサつきが目立つ。そんな経験が続くと、「年齢のせいだから仕方ないのかな」と感じてしまうかもしれません。

30〜40代は、仕事や家事で忙しく、落ちにくいベースメイクやポイントメイクを使う日も多い世代です。きれいに落とそうとしてクレンジングを長くなじませたり、洗顔料をたっぷり泡立てて何度もすすいだりしているうちに、必要以上に肌へ負担をかけている場合があります。

大切なのは「洗顔やメイクをやめること」ではなく、落とす力・摩擦・使用する化粧品を、自分の肌状態に合わせることです。

洗顔で肌のバリア機能はどうなる?

肌のいちばん外側にある角層には、セラミド、コレステロール、脂肪酸などの脂質があり、水分が逃げすぎないように守っています。洗浄料に含まれる界面活性剤は、皮脂や汚れを落とすために必要な成分ですが、種類や使い方によっては角層の脂質やたんぱく質にも影響します。

2013年のレビュー論文では、洗浄時の界面活性剤が角層の脂質を抽出したり、脂質の並びに入り込んだりすることで、バリア機能を乱す可能性が整理されています。特に、もともと乾燥しやすい肌では、強い洗浄を繰り返すことが乾燥につながる一因になり得ます。これは「洗顔すれば必ず乾燥する」という意味ではなく、洗浄剤の種類や頻度、肌状態によって影響が変わるという内容です。

参考文献:Ananthapadmanabhan KP, et al. Stratum corneum fatty acids: their critical role in preserving barrier integrity during cleansing. Int J Cosmet Sci. 2013.

また、洗浄料のpHも一つの要素です。レビューでは、pH10のようなアルカリ性条件は、界面活性剤がなくても角層を膨潤させ、脂質の状態を変化させることが示され、皮膚に近い弱酸性〜中性の洗浄料は、より低刺激である可能性が述べられています。

参考文献:Ananthapadmanabhan KP, et al. Cleansing without compromise: the impact of cleansers on the skin barrier and the technology of mild cleansing. Dermatol Ther. 2004.

メイクは乾燥肌の原因になる?

メイクをしているだけで、誰もが乾燥肌になるわけではありません。注意したいのは、メイクを「落とす工程」と、肌に合わない化粧品による刺激です。

とくに落ちにくいメイクを落とすために、強くこする、何度も拭き取る、洗浄力の強い製品を長時間使う、といった行動が重なると、乾燥しやすい肌では負担が増える可能性があります。

顔に軽いアトピー性皮膚炎の症状がある女性35人を対象にした4週間の臨床試験では、普段のメイク落としを、より少ない摩擦で落とせるクレンジングオイルに変更したところ、乾燥、落屑、刺激感、赤み、かゆみが有意に改善し、水分保持能の上昇と経皮水分蒸散量(TEWL)の低下が確認されました。ただし、対象はアトピー性皮膚炎の女性であり、すべての人に同じ結果が当てはまるとは限りません。

参考文献:Kikuchi K, et al. Rubbing the skin when removing makeup cosmetics is a major factor that worsens skin conditions in atopic dermatitis patients. J Dermatol. 2021.

さらに、化粧品に含まれる香料や防腐剤などが、体質によって接触皮膚炎の原因になることがあります。化粧品アレルギーに関するレビューでは、香料と防腐剤が代表的なアレルゲンとして挙げられています。乾燥だけでなく、赤み・かゆみ・ヒリつきが続く場合は、単なる乾燥と決めつけないことも大切です。

参考文献:Park ME, Zippin JH. Allergy to cosmetics: a literature review. Dermatitis. 2014.

乾燥しにくい洗顔はどうする?

乾燥が気になるときは、「しっかり洗う」より「必要なものだけ落とす」という考え方に切り替えると、毎日のケアを見直しやすくなります。

1.熱いお湯を避け、ぬるま湯で洗う:熱いお湯は皮膚の天然の油分を落としやすく、乾燥を悪化させることがあります。

2.洗顔料は低刺激・無香料を目安にする:乾燥や刺激を感じやすいときは、強い洗浄感や香りより、肌へのやさしさを優先します。

3.「キュッとするまで」洗わない:洗顔後の強いつっぱり感は、洗浄が肌に合っていないサインの一つとして見直す価値があります。

4.タオルでこすらない:水分を拭き取るときは、清潔なタオルをそっと押し当てます。

5.洗顔後すぐに保湿する:肌に水分が残っているうちに、クリームや乳液などを重ね、水分が逃げにくい状態をつくります。

米国皮膚科学会(AAD)も、乾燥肌のセルフケアとして、ぬるま湯、短時間の洗浄、やさしい無香料の洗浄料、洗った後すぐの保湿を推奨しています。これは個別の治療ではなく一般的なセルフケアの指針ですが、毎日の洗顔を見直すうえで参考になります。

参考文献:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

乾燥しにくいメイク落としはどう選ぶ?

クレンジングは、「洗浄力が弱いほど良い」「オイルなら必ず良い」と単純に決めることはできません。重要なのは、その日のメイクを短時間・少ない摩擦で落とせることです。

・薄いメイクの日:強いクレンジングが不要なら、よりマイルドなタイプで十分なことがあります。

・ウォータープルーフを使った日:落ちにくい部分だけ専用リムーバーを使い、顔全体を長時間こすらない方法もあります。

・コットンで拭き取る場合:何度も往復させず、製品を十分になじませてからやさしく拭き取ります。

・赤みやヒリつきがある日:新しい化粧品を次々に足すより、メイクやスキンケアをシンプルにして刺激源を減らします。

大切なのは、「落とす力」と「こする回数」のバランスです。落ちないクレンジングで何度もこするより、自分のメイクに合った製品で短時間に落とせる方が、摩擦を減らせる場合があります。

洗顔後の保湿は何を意識する?

洗顔やクレンジングの見直しと同じくらい重要なのが、洗った直後の保湿です。保湿剤は、肌に水分を与える成分と、水分が逃げにくくなるように支える成分を組み合わせて使うのが基本です。

乾燥が強いときは、化粧水だけで終えるより、クリームや軟膏タイプなど油分を含む製品を重ねる方法が一般的です。AADも、乾燥肌にはローションよりクリームや軟膏の方が保湿力を得やすいとしています。

参考文献:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

なお、赤み、かゆみ、痛み、ひび割れ、強いヒリつきが続く場合は、洗顔方法だけでは解決できない皮膚炎などが隠れていることがあります。その場合は皮膚科で相談してください。

内側からのケアにツバメの巣は役立つ?

洗顔やメイクによる外側からの負担を減らすことが基本ですが、「肌をつくる側にも目を向けたい」と考える方もいるでしょう。そこで研究されている素材の一つが、食用ツバメの巣です。

2021年の研究では、食用ツバメの巣の水抽出物と酵素分解物を、人の角化細胞由来のHaCaT細胞などで評価しました。その結果、角層のバリア機能や保湿に関わるフィラグリン、フィラグリン2の遺伝子・たんぱく質発現が増加しました。これは、ツバメの巣成分が「保湿に関係する仕組み」に作用する可能性を示した基礎研究です。

参考文献:Lai QWS, et al. Edible Bird’s Nest … Possesses Moisturizing Effect by Regulating Expression of Filaggrin in Skin Keratinocyte. Front Pharmacol. 2021.

一方で、この研究は主に培養細胞や皮膚モデルを使ったもので、30〜40代の乾燥肌女性が食べたときに乾燥が改善することを直接証明した臨床試験ではありません。2024年のレビューでも、ツバメの巣の皮膚への可能性は注目されている一方、効果と安全性を確立するには、さらに人を対象とした臨床研究が必要とまとめられています。

参考文献:Jagdeo J, et al. The potential cutaneous benefits of edible bird’s nest. Arch Dermatol Res. 2024.

そのため、ツバメの巣は洗顔や保湿の代わりではありません。まずは「落としすぎない・こすらない・すぐ保湿する」という基本を整え、そのうえで美容習慣の一つとして取り入れる、という考え方が適切です。

ツバメの巣を美容習慣に取り入れるには?

毎日のスキンケアを整えたうえで、食用ツバメの巣についてもう少し知りたい方は、原料や配合成分、研究情報を確認してから、自分に合うか検討してみてください。

ツバメの巣スティックゼリーの詳細はこちら(※広告です):HESTIAP ツバメの巣スティックゼリー

※食品は医薬品ではなく、乾燥肌の治療を目的とするものではありません。肌トラブルが強い場合は、食品だけで対処せず医療機関へ相談してください。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. 朝も洗顔料を使った方がよいですか?

皮脂量や肌状態によって異なります。乾燥や刺激を感じやすい人では、朝はぬるま湯中心でも十分な場合があります。一方、皮脂や使用中の外用剤などを落とす必要がある場合もあるため、つっぱり感やベタつきを目安に調整してください。
参考文献:
Yokoi A, Endo K, Ozawa T, et al. A cleanser based on sodium laureth carboxylate and alkyl carboxylates washes facial sebum well but does not induce dry skin. J Cosmet Dermatol. 2014;13(4):245-252.
Ananthapadmanabhan KP, Moore DJ, Subramanyan K, Misra M, Meyer F. Cleansing without compromise: the impact of cleansers on the skin barrier and the technology of mild cleansing. Dermatol Ther. 2004;17 Suppl 1:16-25.
2026/8/25 出口詩朋子

Q2. ダブル洗顔は乾燥肌にはよくないですか?

必ず悪いとは限りません。ただし、クレンジングと洗顔料の両方で強く洗うと、洗浄負担が増える可能性があります。使用しているクレンジングがダブル洗顔を必要とするか確認し、洗った後につっぱるなら方法を見直しましょう。
参考文献:
Ananthapadmanabhan KP, Moore DJ, Subramanyan K, Misra M, Meyer F. Cleansing without compromise: the impact of cleansers on the skin barrier and the technology of mild cleansing. Dermatol Ther. 2004;17 Suppl 1:16-25.
Hosokawa K, Taima H, Kikuchi M, et al. Rubbing the skin when removing makeup cosmetics is a major factor that worsens skin conditions in atopic dermatitis patients. J Cosmet Dermatol. 2021;20(6):1915-1922.
2026/8/25 出口詩朋子

Q3. オイルクレンジングは乾燥肌には避けた方がよいですか?

一律に避ける必要はありません。メイクとの相性がよく、短時間で少ない摩擦で落とせるなら選択肢になります。製品ごとに洗浄力や処方は異なるため、使用後のつっぱりや刺激感も確認してください。
参考文献:
Hosokawa K, Taima H, Kikuchi M, et al. Rubbing the skin when removing makeup cosmetics is a major factor that worsens skin conditions in atopic dermatitis patients. J Cosmet Dermatol. 2021;20(6):1915-1922.
Ananthapadmanabhan KP, Moore DJ, Subramanyan K, Misra M, Meyer F. Cleansing without compromise: the impact of cleansers on the skin barrier and the technology of mild cleansing. Dermatol Ther. 2004;17 Suppl 1:16-25.
2026/8/25 出口詩朋子

Q4. メイクをしない方が乾燥肌は改善しますか?

メイクをやめれば必ず改善するとは言えません。重要なのは、肌に合わない成分を避けることと、落とすときの摩擦や洗浄負担を減らすことです。赤みやかゆみが出る製品は使用を中止し、必要に応じて皮膚科へ相談してください。
参考文献:
Zirwas MJ. Contact Dermatitis to Cosmetics. Clin Rev Allergy Immunol. 2019;56(1):119-128.
Hosokawa K, Taima H, Kikuchi M, et al. Rubbing the skin when removing makeup cosmetics is a major factor that worsens skin conditions in atopic dermatitis patients. J Cosmet Dermatol. 2021;20(6):1915-1922.
2026/8/25 出口詩朋子

Q5. ツバメの巣を食べれば乾燥肌は改善しますか?

現時点では、人の乾燥肌が改善すると断定できる十分な臨床エビデンスはありません。細胞・動物研究では、フィラグリンなど保湿やバリア機能に関連する指標への作用が報告されていますが、人での効果を確立するには追加研究が必要です。
記事作成方針:研究結果と一般的なセルフケア情報を区別し、ツバメの巣についてはヒトでの有効性が確立していない点を明記しています。
参考文献:
Lai QWS, Guo MSS, Wu KQ, et al. Edible Bird’s Nest, an Asian Health Food Supplement, Possesses Moisturizing Effect by Regulating Expression of Filaggrin in Skin Keratinocyte. Front Pharmacol. 2021;12:685982.
Kim HM, Lee YM, Kim EH, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study. Front Pharmacol. 2022;13:843469.
Zhang W, Wang D, Zhang Y, et al. Dietary edible bird’s nest improves skin hydration by upregulating EGFR-AQP5 pathway. J Funct Foods. 2026;140:107266.
2026/8/25 出口詩朋子

著者情報
出口 詩朋子(でぐち しほこ)
乾燥肌・シワ研究チーム 研究員
ツバメの巣研究所 研究員
ATHENA株式会社(HESTIAP 美容リサーチャー)

コメントを書く

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です