50代のシワが増える原因は?加齢で変わる肌の仕組みと今日からできる対策

50代のシワは、加齢に伴うコラーゲンの減少や肌の乾燥、女性ホルモンの変化、紫外線ダメージの蓄積などが重なって目立ちやすくなります。

50代になるとシワが目立ちやすくなるのはなぜ?

「以前より目元の線が戻りにくい」「笑ったあとに口元のシワが残る」「保湿しても肌が薄くなった気がする」。50代になると、こうした変化を感じる方は少なくありません。毎日きちんとお手入れしているのに変化が進むと、「今までのケアでは足りないのかな」と不安になることもあるでしょう。

ただ、50代のシワは単に“お手入れ不足”で起こるものではありません。肌の中では、年齢とともに少しずつ構造そのものが変化しています。その仕組みを知ると、必要以上に高価な化粧品を重ねるよりも、守る・うるおす・刺激を減らすといった基本を丁寧に続ける意味が見えてきます。

加齢すると肌の中で何が起こる?

シワと深く関係するのが、肌の「真皮」にあるコラーゲンや弾性線維です。コラーゲンは肌の形を支える骨組みのような存在で、線維芽細胞という細胞がつくっています。加齢した肌では、線維芽細胞の働きが低下し、コラーゲンの量や構造も変化します。その結果、肌は厚みや弾力を保ちにくくなり、表面の細かな線が戻りにくくなります。

参考文献:Skin aging from mechanisms to interventions: focusing on dermal aging(2023)

1975年に報告されたヒトの研究では、正常な男女の前腕皮膚を調べ、皮膚中のコラーゲン量が年齢とともに減少すること、またコラーゲン量と真皮の厚さに直接的な関係があることが示されました。これは、加齢とともに肌の“支える材料”が減っていくことを示す基礎的な人のデータです。

参考文献:Shusterら, The influence of age and sex on skin thickness, skin collagen and density(1975)

50代女性では女性ホルモンの変化も関係する?

50代女性では、加齢に加えて閉経前後の女性ホルモン、特にエストロゲンの低下も肌に影響します。エストロゲンは皮膚のコラーゲン量、厚み、水分保持などと関係しており、閉経後にはコラーゲン減少が速くなることが複数の研究で報告されています。

参考文献:Estrogens and aging skin(2013)

レビューでは、閉経後の女性では皮膚の厚さが年約1.13%、コラーゲン量が年約2%低下したという報告や、閉経後最初の5年間にI型・III型コラーゲンが大きく減少したとする研究が紹介されています。ただし、これらの数字は個人差が大きく、すべての50代女性に同じ割合で起こるという意味ではありません。

参考文献:Estrogens and aging skin(レビュー)

加齢によるシワは紫外線でさらに目立つ?

加齢そのものによる「内因性老化」に、紫外線などの「外因性老化」が重なると、シワはさらに目立ちやすくなります。紫外線は活性酸素を増やし、コラーゲンを分解する酵素の働きを高めることが知られています。つまり、年齢を止めることはできなくても、紫外線による上乗せダメージは減らせる余地があります。

参考文献:Molecular Mechanisms of Dermal Aging and Antiaging Approaches(2019)

50代のシワ対策は何から始める?

加齢による変化を完全に元に戻すことはできませんが、今ある肌を守り、乾燥による小ジワを目立ちにくくし、紫外線による老化の上乗せを抑えることはできます。特別なことを増やすより、次の3つを毎日続けることが現実的です。

紫外線対策は毎日する?

晴れた日だけでなく、日中は顔や首など露出する部分に日焼け止めを使う習慣がおすすめです。オーストラリアで55歳未満の成人903人を対象にした無作為化比較試験では、広範囲の紫外線を防ぐ日焼け止めを毎日使用した群は、必要なときだけ使用した群より4.5年間の皮膚老化の進行が24%少なかったと報告されています。この研究は“できたシワを消す”試験ではなく、“光老化の進行を遅らせる”効果を調べたものです。

参考文献:Hughesら, Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial(2013)

保湿は何を重視する?

50代の肌では、成分を次々に足すよりも、乾燥を感じる前に保湿を続けることが大切です。洗顔や入浴後は時間を置きすぎず、化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームなどで水分が逃げにくい状態をつくります。 中等度から重度の乾燥肌80人を対象にした無作為化二重盲検試験では、複数種類の保湿剤を4週間使用したところ、いずれの保湿剤でも乾燥症状と皮膚の測定値が改善し、特定の製品だけが明確に優れているとは示されませんでした。研究者は、乾燥肌では“どの保湿剤か”以上に、継続して規則的に使うことが重要だと結論づけています。

参考文献:Shimら, Moisturizers are effective in the treatment of xerosis(2016)

摩擦や洗いすぎは減らす?

年齢とともに乾燥しやすくなった肌では、強い摩擦や洗浄を重ねると、つっぱりや刺激感につながることがあります。クレンジングや洗顔は“落とし切る”より“こすらず短時間で済ませる”ことを意識し、タオルも押さえるように使いましょう。この項目はシワを直接改善する方法というより、乾燥や刺激を増やさず、保湿ケアを続けやすくするための土台づくりです。

ツバメの巣は加齢による肌変化に役立つ?

外側から守るケアに加え、食生活から肌を支えるという考え方もあります。その一つとして研究されているのが食用ツバメの巣です。ここで大切なのは、ツバメの巣を“シワを治す食品”として捉えないことです。現在の研究では、肌のうるおい、弾力、コラーゲン代謝などに関する可能性が調べられています。

2025年に公表された無作為化比較試験では、25〜45歳の健康な女性92人が、ツバメの巣の高用量群・低用量群・対照群に分かれ、12週間摂取しました。高用量群では対照群と比べ、皮膚水分量と弾力の改善、深いシワの数の減少などが報告されています。一方で、対象は25〜45歳であり、今回の読者である50代女性を直接調べた研究ではありません。そのため、50代の加齢性シワに同じ効果が出ると断定することはできません。

参考文献:Yuら, The antiaging effect of edible bird’s nest on the skin of healthy women: a randomized controlled trial(2025)

また2021年の研究では、UVBを当てたヘアレスマウスと培養細胞を用いて、標準化したツバメの巣抽出物を調べています。この研究では、皮膚水分量、ヒアルロン酸合成、セラミド合成に関わる経路や、コラーゲン分解・産生に関係する経路に変化がみられました。ただし、これは主に動物・細胞実験であり、人の50代のシワ改善を証明した研究ではありません。

参考文献:Kimら, Standardized Edible Bird’s Nest Extract Prevents UVB Irradiation-Mediated Oxidative Stress and Photoaging in the Skin(2021)

現在のエビデンスを踏まえると、ツバメの巣は「日焼け止めや保湿の代わり」ではなく、基本のスキンケアや食生活を整えたうえで、内側からの美容習慣として検討する位置づけが適切です。

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よくあるご質問(FAQ)

Q1. 50代になると急にシワが増えることはありますか?

50代前後になって「急にシワが増えた」と感じることはありますが、50歳を境にシワが突然増えると示されているわけではありません。
皮膚の老化は本来、加齢とともに徐々に進みます。真皮ではコラーゲンの量や構造が変化し、皮膚の弾力も低下していきます。
さらに女性では、閉経前後にエストロゲンが大きく変化します。エストロゲンの低下は、皮膚のコラーゲン、弾力、水分保持などの変化と関連することが知られています。
更年期ホルモン療法(MHT)と皮膚について調べた2023年のシステマティックレビュー・メタ解析(45〜55歳の女性を対象とした15研究、計1,589人)では、MHTによって皮膚の弾力、厚み、コラーゲン量が改善することが示されました。これは、エストロゲンが皮膚の状態に関わっていることを支持する結果です。ただし、皮膚の乾燥については有意な改善が認められていません。
また、シワには女性ホルモンだけではなく、紫外線、乾燥、表情、喫煙、これまでに受けてきた光老化など複数の要因が関係します。
そのため、「50代だから急にシワが増える」のではなく、加齢による変化に閉経前後のホルモン変化などが重なり、シワや乾燥を目立って感じることがある、と考えるのが適切です。
参考文献
Calleja-Agius J, Brincat M. The effect of menopause on the skin and other connective tissues. Gynecol Endocrinol. 2012;28(4):273-277.
Pivazyan L, Avetisyan J, Loshkareva M, Abdurakhmanova A. Skin Rejuvenation in Women using Menopausal Hormone Therapy: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Menopausal Med. 2023;29(3):97-111.
2026/08/25 出口詩朋子

Q2. 加齢によるシワは保湿だけで改善できますか?

保湿は重要ですが、加齢によるシワを保湿だけですべて改善できるわけではありません。
保湿剤によって角層水分量を高め、皮膚バリア機能を整えると、乾燥によって目立っていた細かな線が目立ちにくくなる可能性があります。
実際、無作為化比較試験では、保湿クリームを1日2回・4週間継続して使用することで、角層水分量やバリア機能だけでなく、細かな線やシワの見た目にも改善が報告されています。
一方、50代以降に目立つシワには、角層の乾燥だけではなく、真皮コラーゲンの減少・断片化、弾性線維の変化、皮下組織などの加齢変化も関係します。
そのため、乾燥による浅い小ジワは保湿で目立ちにくくなる可能性がある一方、深く定着した加齢性のシワは保湿だけで元の状態に戻すことが難しい、と考えると分かりやすいでしょう。
また、紫外線は皮膚老化の重要な外的要因なので、50代のシワ対策でも保湿と紫外線対策を基本にすることが大切です。
参考文献
Nisbet S, Mahalingam H, Gfeller CF, et al. Cosmetic benefit of a biomimetic lamellar cream formulation on barrier function or the appearance of fine lines and wrinkles in randomized proof-of-concept clinical studies. Int J Cosmet Sci. 2019;41(1):1-11.
Calleja-Agius J, Brincat M. The effect of menopause on the skin and other connective tissues. Gynecol Endocrinol. 2012;28(4):273-277.
2026/08/25 出口詩朋子

Q3. 50代でも日焼け止めを始める意味はありますか?

はい。50代から始めても意味があります。
これまでに受けた紫外線による変化をすべて元に戻すことはできませんが、紫外線曝露はその後も続くため、これから受ける光老化を減らすことには意味があります。
903人を約4.5年間追跡した無作為化比較試験では、日焼け止めを毎日使用した群は、必要に応じて使用した群と比べて、皮膚老化の進行が24%少なかったことが報告されています。
また、32人がSPF30の広範囲紫外線防御日焼け止めを毎日1年間使用した研究では、専門家による臨床評価で、肌の質感や色むらなど複数の光老化の指標が開始時より改善しました。
ただし、後者は対照群のない小規模な研究で、製品を扱う企業の研究者による報告です。「日焼け止めだけでシワを若い頃の状態へ戻せる」と解釈することはできません。
50代でも、「もう紫外線を浴びてきたから遅い」のではなく、これからの蓄積を少なくするという意味で、毎日の紫外線対策を始める価値があります。
参考文献
Hughes MCB, Williams GM, Baker P, Green AC. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-790.
Randhawa M, Wang S, Leyden JJ, Cula GO, Pagnoni A, Southall MD. Daily Use of a Facial Broad Spectrum Sunscreen Over One-Year Significantly Improves Clinical Evaluation of Photoaging. Dermatol Surg. 2016;42(12):1354-1361.
2026/08/25 出口詩朋子

Q4. 高価な美容液を使わないとシワ対策はできませんか?

いいえ。「価格が高い化粧品ほどシワへの効果が高い」と示した臨床エビデンスはありません。
化粧品の価格には、配合成分だけでなく、容器、香り、使用感、ブランド、広告などさまざまな要素が含まれます。そのため、価格だけからシワへの効果を判断することはできません。
一方、比較的基本的なケアにも臨床的な根拠があります。
保湿剤の無作為化比較試験では、継続使用によって肌の水分量やバリア機能、細かな線やシワの見た目の改善が報告されています。
また、日焼け止めについては、毎日使用した群で皮膚老化の進行が抑えられた無作為化比較試験があります。
そのため50代のシワ対策では、まず毎日の紫外線対策、乾燥させない保湿、強い摩擦や刺激を避けること、といった基本を続けることが重要です。
美容液を追加する場合も、「高価だから」ではなく、どの成分がどの濃度で配合され、どのようなヒト試験があるのか、自分の肌に刺激がないか、という視点で選ぶほうが合理的です。
参考文献
Nisbet S, Mahalingam H, Gfeller CF, et al. Cosmetic benefit of a biomimetic lamellar cream formulation on barrier function or the appearance of fine lines and wrinkles in randomized proof-of-concept clinical studies. Int J Cosmet Sci. 2019;41(1):1-11.
Hughes MCB, Williams GM, Baker P, Green AC. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-790.
2026/08/25 出口詩朋子

Q5. ツバメの巣を食べれば50代のシワは改善しますか?

ツバメの巣については、40〜60歳の女性を対象としてシワの改善を確認した無作為化比較試験があります。そのため、「50代女性についてまったくヒト研究がない」とするのは正確ではありません。
2022年に40〜60歳の女性を対象として行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験では、ツバメの巣抽出物100mgまたはプラセボを1日1回、12週間摂取しました。105人が登録され、解析対象となったのは各群43人ずつの計86人です。
その結果、ツバメの巣群ではプラセボ群と比較して、目元のシワの指標が有意に改善しました。
一方、この試験の参加者は40〜60歳全体で解析されており、50代の女性だけを取り出して効果を検証した試験ではありません。参加者の平均年齢も40代後半でした。
さらに、この2022年の試験では、肌の水分量や皮膚の弾力についてはプラセボ群との有意な改善が確認されなかった項目もありました。したがって、すべての肌の指標が改善したわけではありません。
その後、2026年には別のヒト介入研究が発表され、健康な成人が90日間ツバメの巣を摂取した結果、角層水分量、皮膚の弾力、真皮コラーゲン密度などの改善が報告されています。ただし、この試験にはプラセボが設定されておらず(評価者側のみを盲検化)、対象人数も限られ、ツバメの巣を扱う企業から資金提供を受けています。また、「50代の加齢性シワ」を対象とした試験でもありません。
したがって現時点では、「40〜60歳の女性を対象とした無作為化比較試験でシワの指標の改善は確認されている。ただし、50代の女性だけで効果が確立されたわけではなく、研究数もまだ限られている」と表現するのが最も正確です。
ツバメの巣を美容習慣として取り入れる場合も、紫外線対策や保湿の代わりにするのではなく、基本的なケアに加える補助的な選択肢として考えるのが適切でしょう。
参考文献
Kim HM, Lee YM, Kim EH, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study. Front Pharmacol. 2022;13:843469.
Zhang W, Wang D, Zhang Y, et al. Dietary edible bird’s nest improves skin hydration by upregulating EGFR-AQP5 pathway. J Funct Foods. 2026;140:107266.
2026/08/25 出口詩朋子

この記事の考え方

この記事は、加齢によるシワについて一般向けに分かりやすく解説した情報提供記事です。研究結果は研究対象・方法の範囲内で紹介し、ヒト試験、動物試験、細胞試験を区別しています。急に深いシワが増えた、強い乾燥・赤み・かゆみが続くなど気になる症状がある場合は、皮膚科などの医療機関に相談してください。の

著者情報
出口 詩朋子(でぐち しほこ)
乾燥肌・シワ研究チーム 研究員
ツバメの巣研究所 研究員
ATHENA株式会社(HESTIAP 美容リサーチャー)

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