乾燥肌ケア
「肌断食」で乾燥肌は改善する?何もつけないケアの本当のところを40代向けにやさしく解説

肌断食で乾燥肌がよくなると確かめた研究は見当たりません。乾燥肌の人の研究では、保湿剤を塗った脚のほうが塗らない脚よりうるおいが高く、保湿は続けることが大切です。
「化粧品をやめて何もつけない“肌断食”をすると、肌が本来の力をとりもどす」「肌断食をしたら乾燥しなくなった」。そんな話を、雑誌やSNS、友人との会話で見聞きしたことはありませんか。
40代になって乾燥が気になり、化粧水、美容液、乳液、クリームと、ていねいにケアを重ねている方ほど、「こんなにがんばっているのに、なぜ乾燥するの?」「もしかして、つけすぎがよくないのかも」と悩んでしまいますよね。何もつけずに肌がよくなるなら、手間もお金もかからず、魅力的に感じるのは自然なことだと思います。
この記事では、「肌断食で乾燥肌は改善するのか」について、実際の研究をもとにやさしい言葉でお伝えします。そのうえで、肌断食が話題になる背景や、乾燥肌の方に合った「ケアの見直し方」もご紹介します。
「肌断食」で乾燥肌は改善する?
結論からお伝えすると、肌断食で乾燥肌がよくなると確かめた研究は、私たちが調べたかぎりでは見当たりませんでした。
反対に、乾燥肌の人を対象にした研究では、保湿剤を塗った脚のほうが、何も塗らなかった脚よりも肌のうるおいが高く、肌から逃げる水分の量も少なくなっていました。また、湿疹のある人を対象にした多くの研究をまとめた論文でも、保湿剤を使うと、使わない場合より症状が悪くなる回数が少なくなっていました。
ただし、化粧品をたくさん重ねていて、その中に肌に合わないものがある場合は、ケアを見直すことで肌が落ち着く可能性もあります。大切なのは「全部やめる」ことではなく、肌に合う保湿剤と日焼け止めを残して、ケアをシンプルに整えることだと考えられます。くわしく見ていきましょう。
「肌断食」とは?
「肌断食」とは、化粧水やクリームなどのスキンケアやメイクを一定の期間やめたり、できるだけ減らしたりする方法として紹介されることが多い言葉です。何もつけないことで、肌が自分でうるおう力をとりもどす、という考え方で語られることがあります。
ただし、「肌断食」は医学で決まった用語ではなく、何をどれくらいやめるのかは、紹介する人によってさまざまです。洗顔料を使わずぬるま湯だけで洗う方法、ワセリンだけは使ってよいとする方法、メイクも含めてすべてやめる方法など、中身はかなり違います。そのため、この記事では主に「保湿剤を使わずに過ごすこと」について、研究でわかっていることをお伝えします。
保湿をやめると乾燥肌はどうなる?
「肌断食」そのものを調べた研究は見当たりませんが、「保湿剤を塗る場合」と「何も塗らない場合」をくらべた研究はあります。これらは、肌断食を考えるうえで参考になります。
保湿剤を塗った脚と塗らない脚をくらべるとどうなる?
2026年に発表されたスペインの研究では、乾燥肌の35人(女性31人、平均47歳)が、片方のすねにだけ保湿剤を1日2回、28日間塗り、何も塗らないもう片方のすねとくらべました。
その結果、保湿剤を塗ったすねでは、塗り始める前や何も塗らなかったすねとくらべて、すべての測定時点で角層(肌のいちばん外側の層)のうるおいが高くなっていました。28日目には、うるおいの値が塗り始める前より約74%高くなり、肌から逃げる水分の量は約14%減っていました(いずれも統計的に意味のある差)。
この研究は、パンテノールやナイアシンアミドなどをふくむ1種類の保湿剤を、顔ではなくすねの肌で調べたものです。著者には製品をつくる企業の研究者もふくまれています。また、成分をぬいた土台のクリームとはくらべていないため、どの成分の働きかまではわからないと著者ら自身が述べています。それでも、40代が中心の乾燥肌の人で、「何も塗らない」より「保湿剤を塗る」ほうが、肌のうるおいとバリアがよい状態だったことを示す結果です。
保湿をやめると肌荒れはぶり返しやすい?
2010年の北欧の研究では、治療で手湿疹がよくなった53人を、尿素5%入りの保湿剤を使うグループと、何も塗らないグループに分けてくらべました。その結果、湿疹がぶり返すまでの期間(中央値)は、保湿剤のグループで20日、何も塗らないグループで2日と、保湿剤のグループのほうが長くなっていました。
この研究は手湿疹の人を対象にした小規模な研究で、参加者も研究者もどちらのグループかを知っている方法で行われ、保湿剤の会社に所属する研究者が中心です。なお、半年のうちに90%の人が再発しており、保湿剤だけで湿疹を防げるわけではありません。乾燥肌の顔にそのまま当てはまるとはかぎりませんが、「何も塗らない」ことで肌がよい状態を保ちやすくなるわけではないことを示す結果の一つです。
多くの研究をまとめると保湿は役立つ?
2017年のコクラン・レビュー(医療の研究を国際的な基準でまとめる、信頼性の高い総説)は、湿疹(アトピー性皮膚炎など)の人に保湿剤を使った77の研究、あわせて6,603人の結果をまとめたものです。保湿剤を使わない場合とくらべると、保湿剤を使った場合は、症状が悪くなる回数が少なく、悪くなるまでの期間が長く、ステロイドの塗り薬の量も少なくてすんでいました。
この総説は湿疹の人が対象で、参加者の平均年齢は18.6歳と若く、保湿剤と「使わない場合」をくらべた部分の証拠の質は「低い」と評価されています。乾燥肌の40代女性にそのまま当てはめることはできませんが、乾燥しやすい肌にとって保湿が役立つケアであることを支える結果といえます。
40代以降は何もつけなくても皮脂でうるおう?
「何もつけなければ、肌が自分で皮脂を出してうるおう」という話もあります。2013年のドイツの研究では、18〜80歳の健康な女性150人を年代ごとに5つのグループ(各30人)に分け、ほお・首・デコルテ・腕の内側・手の甲の肌を調べました。
その結果、肌の皮脂の量は年齢とともにはっきりと減っていて、70歳より上のグループでもっとも少なくなっていました。一方で、角層のうるおいや肌から逃げる水分の量は、年齢との関係が小さいという結果でした。
この研究は、ある時点の肌を年代ごとにくらべたもので、スキンケアをやめたときの変化を調べたものではありません。ただ、年齢とともに皮脂が減っていくことを考えると、40代以降の肌で「何もつけなければ皮脂が補ってくれる」と期待するのは難しいかもしれません。
保湿剤で肌をおおうと、肌が自分で回復しなくなる?
「保湿剤で肌をおおい続けると、肌が自分で回復する力が弱まる」という話もよく聞かれます。1992年のアメリカの研究によると、それ以前のマウスの研究では、肌を空気を通さないものでおおうと、こわれたバリアの回復が遅れることが示されていました。しかし、この研究で人の肌を調べたところ、わざとバリアをこわしたあとにワセリンを塗った場所では、回復が遅れるのではなく、むしろ早まっていました。
これは古い研究で、ワセリンという1つの成分を調べたものです。それでも、「保湿剤を塗ると肌が自分で回復しなくなる」とは言えないことを示す結果の一つと考えられます。
「肌断食で乾燥肌がよくなった」という声があるのはなぜ?
研究では肌断食で乾燥肌がよくなることは確かめられていないのに、なぜ「肌断食で肌がよくなった」という声があるのでしょうか。ここでは、研究で確かめられていることと、一つの見方とを分けてお伝えします。
保湿剤によっては肌のバリアを弱めることがある?
これは研究で確かめられていることです。2007年のスウェーデンの研究では、健康な肌の78人を5つのグループに分け、成分の違う保湿剤を片方の腕の内側に7週間塗ってもらいました。その結果、成分をしぼった簡単なつくりのクリームや油分のないジェルでは、肌から逃げる水分の量が増え、刺激物への反応も強くなっていました。一方で、尿素5%入りのふつうのクリームでは反対に、肌から逃げる水分の量が減り、刺激物への反応も弱くなっていました。著者らは、保湿剤が健康な肌のバリアに与える影響は、その成分によって決まると結論づけています。
この研究は乾燥肌ではなく健康な肌の人が対象で、研究用につくった保湿剤を使っています。また、保湿剤の会社に所属する研究者も参加しています。つまり、使っている保湿剤が肌に合っていない場合には、それをやめることで肌が落ち着く可能性はある、ということです。ただし、これは「保湿そのものが悪い」ということではなく、「保湿剤の選び方が大切」ということを示しています。
ケアを減らして肌に合わないものを使わなくなった?
ここからは、研究で確かめられたことではなく、一つの見方としてお読みください。たくさんの化粧品を重ねていて肌が荒れていた人が、肌断食でケアを減らしたら肌が落ち着いた、ということもあるのかもしれません。その場合、よくなった理由は「何もつけなかったから」ではなく、「肌に合わない成分にふれる機会が減ったから」や「肌をこする回数が減ったから」である可能性も考えられます。
季節の変化や「自然がいい」という考えも関係している?
これも一つの見方です。「何もつけないほうが肌本来の力がよみがえる」という考え方は、「シンプルなケアがいい」「自然なままがいい」という気持ちに響きやすく、広まりやすいのかもしれません。また、肌断食を始めた時期が、梅雨から夏のような湿度の高い季節と重なっていた場合には、季節による変化を肌断食の効果と感じることもあるかもしれません。体験談は大切な情報ですが、一人ひとりの肌や環境が違うため、そのまま自分に当てはまるとはかぎらないと考えておくと安心です。
肌断食をするときに気をつけたいことは?
日焼け止めもやめてしまうとどうなる?
肌断食では、日焼け止めも使わなくなる場合があります。しかし、日焼け止めは肌の老化を防ぐために大切なケアの一つです。2013年のオーストラリアの研究では、55歳未満の大人903人を、日焼け止めを毎日塗るグループと、塗りたいときだけ塗るグループに分けて、4年半くらべました。その結果、毎日塗るグループでは4年半のあいだに肌の老化がはっきりとは進んでおらず、肌表面の老化の進み方は、塗りたいときだけのグループより24%少なくなっていました。
この研究は日差しの強いオーストラリアで行われたもので、肌表面のきめ(細かな凹凸)の変化で評価しています。日本の顔の肌にそのまま当てはまるとはかぎりませんが、肌断食を試す場合でも、日焼け止めまでやめてしまうと、紫外線による肌の老化を防ぎにくくなる可能性があります。外に出る日は、日焼け止めを使うことをおすすめします。
乾燥やかゆみが強くなったらどうする?
肌断食を始めてから、つっぱり、粉ふき、かゆみ、赤みなどが強くなった場合は、無理に続けず、保湿を再開しましょう。米国皮膚科学会(AAD)は、すすめているケアを試しても乾燥肌が続く場合は、皮膚科専門医を受診するようすすめています。
参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.
肌断食のかわりに、乾燥肌のケアはどう見直す?
肌断食のように「全部やめる」のではなく、乾燥肌のケアを「整える」ための方法をご紹介します。
保湿剤はどんな成分を選ぶ?
2019年に発表(2020年掲載)されたフランスの研究では、乾燥肌の健康な51人の腕に、グリセリンとワセリンの両方をふくむクリーム、土台のクリームだけ、土台にグリセリンだけを加えたもの、土台にワセリンだけを加えたものを塗り、12時間くらべました。その結果、ワセリンは肌から逃げる水分の量を減らして肌のバリアを助け、グリセリンは肌のうるおいを高めていました。両方をふくむクリームには、2つの働きがあわせて見られました。
この研究は12時間という短い期間の研究で、治療としての効果を調べたものではないと著者らは述べています。また、製品をつくる製薬企業の研究者も参加しています。それでも、保湿剤を選ぶときに、「うるおいを与える成分」と「うるおいを閉じこめる成分」の両方に目を向けることは参考になります。
AADも、乾燥肌にはローションよりクリームや軟膏を選ぶこと、グリセリン、ヒアルロン酸、乳酸、ワセリン、ホホバオイル、シアバター、ミネラルオイル、ジメチコン、ラノリンなどをふくむものを選ぶこと、香料の入っていない(無香料の)製品を選ぶことをすすめています。
参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.
アイテムの数はしぼったほうがいい?
化粧水、美容液、乳液、クリームと何種類も重ねている方は、肌に合うものにしぼってみるのも一つの方法です。先ほどの研究のように、保湿剤の成分によっては肌のバリアを弱めることがあり、製品の数が増えるほど、肌に合わない成分にふれる機会も増えると考えられます。肌断食のように「すべてやめる」のではなく、「保湿剤と日焼け止めは残して、ほかを減らす」という考え方が、乾燥肌には取り入れやすいでしょう。新しい製品を足すときは、一度に一つずつにすると、肌に合わなかったときに原因がわかりやすくなります。
洗い方と保湿のタイミングは?
AADは、顔を洗うときは、アルコールの入っていないやさしい洗浄料を指先でつけ、こすらずに洗い、ぬるま湯ですすいで、やわらかいタオルで押さえるように水気をとるようすすめています。洗顔は朝と夜の1日2回と、汗をかいたあとが目安です。
参考:American Academy of Dermatology. Face washing 101.
また、入浴は5〜10分ほどにしてお湯は熱すぎない温度にし、体をふいたらすぐに無香料の保湿剤を塗ること、乾燥を感じたときは1日に何回か塗り直すこともすすめています。
参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.
研究を一覧でくらべると?
この記事で紹介した研究を、表にまとめました。研究によって対象や期間が大きく違うことにも注目してください。
| 研究(著者・年) | 対象・人数 | 方法・期間 | わかったこと | 注意点(研究の限界) |
| Morgado-Carrasco ほか・2026 | 乾燥肌の35人(女性31人、平均47歳) | 片方のすねに保湿剤を1日2回、もう片方は何も塗らない/28日間 | 保湿剤側はうるおいが約74%増、逃げる水分量が約14%減(塗らない側とも差あり) | すねの肌で1製品のみ。土台クリームとの比較なし。企業の研究者が参加 |
| Lodén ほか・2010 | 手湿疹がよくなった53人 | 尿素5%保湿剤 vs 何も塗らない/最長26週 | 再発までの中央値は保湿剤20日、塗らない2日 | 手湿疹の人が対象。小規模・非盲検。企業の研究者が中心 |
| van Zuuren ほか・2017(コクラン・レビュー) | 湿疹の人/77研究・6,603人 | 保湿剤の研究をまとめた総説 | 保湿剤で悪化の回数が減り、ステロイドの量も少なくてすんだ | 湿疹が対象で平均18.6歳。「使わない場合」との比較は証拠の質が低い |
| Luebberding ほか・2013 | 健康な女性150人(18〜80歳) | 年代別に肌を測定(1回の測定) | 皮脂は年齢とともにはっきり減少。うるおいとの関係は小さい | スキンケアをやめたときの変化は調べていない |
| Ghadially ほか・1992 | 人のボランティア(人数は要旨に記載なし) | バリアをこわした肌にワセリンを塗る/塗らない | ワセリンを塗った場所はバリアの回復が早まった | 古い研究。ワセリン1種類のみ |
| Buraczewska ほか・2007 | 健康な肌の78人 | 成分の違う保湿剤を片腕に/7週間 | 簡単なつくりのクリーム・ジェルではバリアが弱まり、尿素5%クリームでは強まった | 健康な肌が対象。研究用の保湿剤。企業の研究者が参加 |
| Hughes ほか・2013 | 55歳未満の大人903人 | 日焼け止めを毎日 vs 好きなときだけ/4年半 | 毎日塗るグループは肌の老化の進み方が24%少なかった | 日差しの強いオーストラリアでの研究。肌表面のきめで評価 |
| Vaillant ほか・2020 | 乾燥肌の健康な51人 | グリセリン・ワセリンの有無で4種類を腕に/12時間 | ワセリンは水分の逃げを抑え、グリセリンはうるおいを高めた | 12時間の短期研究。治療効果は調べていない。企業の研究者が参加 |
今日からできるケアをまとめると?
肌断食のかわりに取り入れやすいケアを、表にまとめました。
| ケア | やり方の目安 | 期待できること | 根拠の強さ・注意点 |
| 保湿をやめずに続ける | 朝晩の洗顔後・入浴後に、肌に合う保湿剤を塗る | 肌のうるおいを保ち、水分が逃げるのを抑える | 乾燥肌の人で「塗る>塗らない」を示した研究あり(すね・1製品の研究) |
| 保湿剤の成分を見る | クリームや軟膏で、グリセリン+ワセリンなどを選ぶ。無香料を選ぶ | うるおいを与える・閉じこめるの両方を助ける | 12時間の短期研究とAADの推奨。合わないときは使用を中止 |
| アイテムをしぼる | 保湿剤と日焼け止めを残し、重ねづけを減らす。新しい製品は1つずつ足す | 肌に合わない成分にふれる機会を減らす | 保湿剤の成分でバリアが変わるという研究あり。「しぼる」効果自体を調べた研究はない |
| やさしく洗う | ぬるま湯、指先で、こすらない。洗顔は1日2回と汗のあと | 肌への刺激を減らす | AADの推奨(専門家の意見) |
| すぐに保湿する | 入浴は5〜10分、ふいたらすぐに保湿剤 | 入浴後の乾燥を防ぐ | AADの推奨(専門家の意見) |
| 日焼け止めは続ける | 外に出る日は毎日塗る | 紫外線による肌の老化を防ぐ | 903人・4年半のランダム化比較試験あり |
| つらいときは受診 | 乾燥・かゆみ・赤みが続くときは皮膚科へ | 原因に合った治療やケアを受けられる | AADの推奨 |
ツバメの巣は肌のうるおいを内側から支える?
ここまでお伝えしたとおり、乾燥肌のケアでは、何もつけないことよりも、肌に合う保湿を続けることが大切です。そのうえで、「外側からのケアに加えて、食事など内側からも肌を支えたい」と考える方に向けて、補足として食用のツバメの巣の研究をご紹介します。
肌断食とツバメの巣の関係を調べた研究はまだありません。ただ、ツバメの巣は、人が食べたときの肌のうるおいやシワについて、ヒトを対象にした研究が報告されている素材です。
ツバメの巣を食べた人の肌のうるおいは?
2026年に発表された研究では、大人を対照グループとツバメの巣を食べるグループに分けて、90日間くらべました。その結果、ツバメの巣のグループでは、対照グループとくらべて角層の水分量、肌の弾力、つやがよくなっていたと報告されています。同じ論文では、8か月間のマウスの実験も行われ、肌から逃げる水分の量が抑えられたことや、コラーゲンに関わる指標(ヒドロキシプロリン)とヒアルロン酸が増えたことが報告されていますが、これらはマウスでの結果です。
この研究の人の部分は、プラセボ(見た目が同じでツバメの巣が入っていないもの)を使っておらず、評価する人だけがグループを知らない方法で行われています。人数も限られており、ツバメの巣に関わる企業から資金提供を受けている点にも注意が必要です。
シワについてのヒト研究は?
2022年の韓国の研究では、目元にシワのある40〜60歳の女性を、ツバメの巣の抽出物(1日100mg)を食べるグループと、プラセボを食べるグループに分けて、12週間くらべました(解析したのは各43人)。その結果、ツバメの巣のグループでは、目尻のシワの指標がプラセボのグループとくらべてよくなっていました。一方で、肌の水分量はプラセボのグループと統計的に意味のある差はありませんでした。重大な副作用は報告されていません。
このように、ツバメの巣と肌の関係は、研究によって結果に違いもあり、まだ調べられている途中です。ツバメの巣には主要な成分の一つとしてシアル酸がふくまれていますが、シアル酸が肌の変化の原因だと人で確かめられたわけではありません。また、人の肌の細胞を使った実験では、ツバメの巣のエキスによって角層のバリアに関わる「フィラグリン」というたんぱく質が増えたことも報告されていますが、これは細胞での結果です。
ツバメの巣は食品であり、保湿剤などの外側からのケアの代わりになるものではありません。外側からのケアを続けながら、毎日の食生活で内側からも肌を支えたい方にとって、研究が進められている食材の一つといえます。
ツバメの巣ゼリーを続けている方の声
50代・Yさん
1日3本食べるとまず、お化粧ののりで変化を感じました。かなりの乾燥肌で化粧品も高価な物を数種類使い、なおかつ技を使ってごまかして来ましたが、1週間を過ぎた頃肌がふっくらつるっとしているのを感じました。
40代・Wさん
モニターを依頼されて、一日一本、2ヶ月摂取しました。(中略)摂取を始めて2、3日後、肌がしっとりしていることを実感しました。
※個人の感想です。すべての方に同じ変化や実感が生じることを示すものではありません。
保湿などの外側からのケアに加えて、内側からのケアも取り入れてみたいと感じた方は、商品のくわしい内容をこちらからご覧いただけます。
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まとめ
肌断食で乾燥肌がよくなると確かめた研究は、私たちが調べたかぎりでは見当たりません。反対に、乾燥肌の35人の研究では、保湿剤を塗ったすねのほうが、何も塗らないすねよりうるおいが高く、肌から逃げる水分の量も少なくなっていました。湿疹の人の研究をまとめた総説でも、保湿剤を使うと症状が悪くなる回数が減っていました。また、年齢とともに皮脂は減っていくため、40代以降は何もつけずに皮脂にまかせるのは難しいかもしれません。
一方で、保湿剤の成分によっては肌のバリアを弱めることもあるため、肌に合わない製品をやめることで肌が落ち着く場合はあると考えられます。乾燥肌の方は「全部やめる」のではなく、肌に合う保湿剤と日焼け止めを残してアイテムをしぼり、やさしく洗ってすぐに保湿する、という「ケアの見直し」から始めてみてください。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 肌断食をすると乾燥肌はよくなりますか?
A. よくなると確かめた研究は見当たりません。乾燥肌の35人の研究では、保湿剤を28日間塗ったすねは、何も塗らないすねよりうるおいが高く、肌から逃げる水分の量も減っていました。すねの肌で1製品を調べた研究ですが、乾燥肌の方は保湿をやめずに続けることが大切と考えられます。
参考:Morgado-Carrasco D, et al. J Cosmet Dermatol. 2026;25(5):e70898.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文
Q2. 保湿を続けると肌が自分でうるおう力をなくしますか?
A. そうした結果を示した研究は見当たりません。人の肌でワセリンを調べた研究では、こわれたバリアの回復が遅れるのではなく、むしろ早まっていました。ただし、保湿剤の成分によっては健康な肌のバリアを弱めることも報告されているため、肌に合うものを選びましょう。
参考:Ghadially R, et al. J Am Acad Dermatol. 1992;26(3 Pt 2):387-96./Buraczewska I, et al. Br J Dermatol. 2007;156(3):492-8.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文
Q3.何もつけなければ皮脂でうるおいますか?
A. 40代以降は難しいかもしれません。18〜80歳の女性150人を調べた研究では、肌の皮脂の量は年齢とともにはっきりと減っていました。スキンケアをやめたときを調べた研究ではありませんが、皮脂だけにうるおいをまかせるのは難しいと考えられます。
参考:Luebberding S, et al. Int J Cosmet Sci. 2013;35(2):183-90.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文
Q4. 肌断食中も日焼け止めは使ったほうがよいですか?
A. はい、使うことをおすすめします。55歳未満の903人を4年半追った研究では、日焼け止めを毎日塗ったグループは、塗りたいときだけのグループより、肌の老化の進み方が24%少なくなっていました。外に出る日は日焼け止めを使いましょう。
参考:Hughes MC, et al. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-90.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文
Q5. ツバメの巣は肌のうるおいに役立ちますか?
A. 人の肌のうるおいについて研究が報告されています。大人が90日間食べた研究では、対照グループより角層の水分量がよくなったとされています。ただし、プラセボを使っておらず人数も限られます。食品なので保湿剤の代わりではなく、内側からのケアの一つとして考えましょう。
参考:Zhang W, et al. J Funct Foods. 2026;140:107266.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療上の診断・治療を目的とするものではありません。乾燥やかゆみ、赤みなどが続く場合は、皮膚科専門医にご相談ください。
著者情報
中西 政文(なかにし まさふみ)
乾燥肌・シワ研究チーム 代表
ツバメの巣研究所 所長
ATHENA株式会社 代表取締役(HESTIAP 代表)



