ささくれ・指先のひび割れはなぜ起こる?40代からの指先の乾燥の原因とやさしいケア

ささくれや指先のひび割れは、もともと乾きやすい手の肌が、水仕事や洗浄料、冬の寒さと乾燥でうるおいと油分を失い、かたくなることで起こりやすくなります。

気づくと爪のまわりの皮がめくれていて、ストッキングやニットに引っかかる。指先がパックリ割れて、水がしみたり、キーボードを打つたびにズキッとしたりする。冬になると、そんな指先の悩みが毎年くり返される、という方は少なくないのではないでしょうか。

料理や洗い物、掃除、家族の世話、職場での手洗いや消毒。40代の毎日は、手を休める時間がなかなかありませんよね。「ハンドクリームを塗ってもすぐ取れてしまう」「気づいたらまた割れている」と、半ばあきらめている方もいらっしゃるかもしれません。

でも、ささくれやひび割れには、きちんとした理由があります。理由がわかると、どこに気をつければよいかが見えてきます。この記事では、研究や皮膚科の専門団体の情報をもとに、指先が荒れる仕組みをやさしくお伝えし、忙しい毎日でも続けやすいケアをご紹介します。

ささくれ・指先のひび割れはなぜ起こる?

肌のいちばん外側には「角層(かくそう)」という、ラップのように薄い層があります。角層は、体の水分が逃げないようにし、外からの刺激をはね返す「バリア」の役目をしています。このバリアが弱まると、肌の中の水分が逃げやすくなり、肌は乾いてかたくなっていきます。

やわらかい肌は、指を曲げ伸ばししても、ゴムのように伸びてついてきます。ところが、乾いてかたくなった肌は伸びにくいため、よく動かす指先や関節のしわの部分に力が集中し、細いひびが入りやすくなると考えられています。爪のまわりの皮がかたくなってめくれ上がったものが、ささくれです。

その背景には、大きく分けて次の4つがあると考えられます。

  • 手の甲はもともと、水分が逃げやすく、うるおいが少ない場所であること
  • 年齢とともに、肌の表面の油分(皮脂)が減っていくこと
  • 水仕事や洗浄料(石けん・洗剤)で、肌を守る油分がうばわれやすいこと
  • 冬の寒く乾いた空気が、肌のバリアを弱めること

ここからは、研究でわかっていることを、ひとつずつ見ていきましょう。

手の肌はほかの場所より乾燥しやすい?

はい、研究では、手の甲は体のほかの場所よりも乾燥しやすいことが報告されています。

2013年にドイツで行われた研究では、18〜80歳の健康な女性150人を5つの年代に30人ずつ分け、頬、首、胸元、腕の内側、手の甲の5か所で、肌から逃げる水分の量(経表皮水分蒸散量)、角層の水分量、皮脂の量などを専用の機器で測りました。その結果、手の甲は、どの年代でも、5か所の中で肌から逃げる水分の量がもっとも多く、角層の水分量がもっとも少ない場所でした。

参考:Luebberding S, Krueger N, Kerscher M. Age-related changes in skin barrier function – quantitative evaluation of 150 female subjects. Int J Cosmet Sci. 2013;35(2):183-190.

つまり、手は年代に関係なく、もともと乾きやすい場所だということです。この研究では指先そのものは測られていませんが、指先は手の中でもとくによく使い、水や洗浄料にふれる機会が多い場所です。手全体がこうした乾きやすい条件にあることを知っておくと、指先のケアが大切な理由が見えてきます。

40代からは何が変わる?

同じ研究では、年齢による変化も調べています。肌から逃げる水分の量や角層の水分量は、年齢との関係はわずかでした。一方で、皮脂の量は年齢とともに有意に(偶然とは考えにくい差で)減っており、70歳以上でもっとも少なくなっていました。また、肌の表面のpH(酸性・アルカリ性の度合い)は、50〜60歳のグループでもっとも高く、著者らは閉経期の女性で有意に上がっていたとしています。

参考:Luebberding S, et al. Age-related changes in skin barrier function – quantitative evaluation of 150 female subjects. Int J Cosmet Sci. 2013;35(2):183-190.

皮脂は、肌の表面に薄い油の膜をつくり、水分が逃げるのをおさえる役目があるといわれています。40代以降は、その油分が少しずつ減っていく時期にあたるため、若いころと同じお手入れでも、指先がカサつきやすく感じることがあると考えられます。「昔はこんなに荒れなかったのに」と感じるのは、気のせいではないのかもしれません。

水仕事や洗浄料は手の肌にどう影響する?

米国皮膚科学会(AAD)は、1日に何度も手を水にぬらしたり、強い化学物質にふれたりする「水仕事」は、肌を守る層をうばい、ひどい乾燥肌の原因になると説明しています。美容師、看護師、家事の仕事をする人、調理師、花屋さんなどは、ひどい乾燥肌になりやすいとしています。また、デオドラント石けんや強い洗浄剤も、肌の油分や脂質をうばうとしています。

参考:American Academy of Dermatology. Dry skin: Who gets and causes.

仕事として水仕事をしていなくても、家庭での料理や洗い物、掃除で、毎日何度も手を水や洗剤にさらしている方は多いと思います。お湯で食器を洗う、台所用洗剤を素手で使う、といった小さな積み重ねが、指先の油分を少しずつうばい、乾燥やひび割れにつながっていると考えられます。

アルコール消毒は手荒れの原因になる?

「アルコール消毒で手が荒れる」と感じている方も多いと思います。2007年の研究では、健康なボランティア(各試験15人)を対象に、アルコールと洗浄成分(ラウリル硫酸ナトリウムという界面活性剤)が肌に与える影響をくらべました。

その結果、アルコールを肌に当てる試験では、バリア機能や赤みに有意な変化は見られませんでしたが、肌の水分量は有意に減っていました。また、腕を洗う試験では、アルコールは、洗浄成分で洗うよりも肌への刺激が有意に少ないという結果でした。すでに洗浄成分で刺激を受けた肌にアルコールを使っても、洗浄成分だけのときよりバリアの乱れが強まることはありませんでした。著者らは、皮ふ科の立場からは、手洗いよりもアルコールの手指消毒のほうが肌への刺激が少ないとしています。

参考:Löffler H, Kampf G, Schmermund D, Maibach HI. How irritant is alcohol? Br J Dermatol. 2007;157(1):74-81.

この研究からは、手荒れの原因はアルコールだけではなく、洗浄成分で何度も洗うことのほうが大きい場合もある、と考えられます。ただし、アルコールで肌の水分が減ることも示されているので、消毒のあとの保湿は大切です。また、すでに割れている指先ではアルコールがしみて痛むことがあります。痛みが強いときは、無理をせず皮膚科で相談しましょう。

冬の寒さと乾燥はどう影響する?

2016年にデンマークの研究者らがまとめた総説(多くの研究を整理した論文)では、湿度や気温、季節が肌に与える影響についての研究を調べています。この総説は、湿度が低いことと気温が低いことは、どちらも肌のバリア機能を全体的に低下させ、こすれなどの物理的な刺激にも弱くすると結論づけています。さらに、肌が刺激物やアレルギーの原因物質に反応しやすくなるとしています。

参考:Engebretsen KA, Johansen JD, Kezic S, Linneberg A, Thyssen JP. The effect of environmental humidity and temperature on skin barrier function and dermatitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30(2):223-249.

AADも、外の気温が下がると空気が含む水分が少なくなり、ひどい乾燥肌に関わると説明しています。

参考:American Academy of Dermatology. Dry skin: Who gets and causes.

冬にささくれや指先のひび割れが増えると感じるのは、こうした季節の影響が関わっていると考えられます。冬は、水仕事でお湯を使う機会が増える季節でもあります。乾いた空気と、お湯や洗剤による油分の流出が重なることで、指先はいっそう荒れやすくなるのかもしれません。

ささくれはどうしてできる?

ささくれは、爪のまわりの皮がめくれて、ささくれ立った状態のことです。AADは、子どもの爪のお手入れについてのページで、ささくれをかんだり、ちぎったりすると感染症の原因になることがあると注意しています。また、乾燥した爪は割れやすく、空気が乾燥しているときはとくに保湿が大切だとして、手洗いや入浴のあとすぐに、爪にもローションを塗るようすすめています。

参考:American Academy of Dermatology. Teaching your child healthy nail care.

ささくれができる仕組みそのものを詳しく調べた研究は、今回調べた範囲では多くありませんでした。ただ、手の肌が乾燥しやすいことや、水仕事で油分がうばわれやすいことを考えると、爪のまわりの皮も乾いてかたくなり、めくれやすくなっていると考えられます。指先のひび割れとささくれは、どちらも「指先の乾燥」という同じ根っこから生まれている悩みだといえそうです。

指先が荒れる原因に関する研究のまとめ

研究(著者・年)対象・人数方法・期間わかったこと注意点(研究の限界)
Luebberding S, et al. 201318〜80歳の健康な女性150人(5つの年代×30人)頬・首・胸元・腕の内側・手の甲の水分蒸散量、角層水分量、皮脂量、pHを機器で測定(1回の測定)手の甲はどの年代でも水分蒸散量が最多・角層水分量が最少。皮脂量は年齢とともに有意に減少指先そのものは測っていない。ある時点の比較で、同じ人の変化を追った研究ではない
Löffler H, et al. 2007健康なボランティア(各試験15人)アルコールと洗浄成分を肌に当てる試験・腕を洗う試験アルコールはバリアや赤みに有意な変化なし、水分量は有意に減少。洗浄成分で洗うより刺激が有意に少ない人数が少ない。腕での試験で、すでに荒れた指先での結果ではない
Engebretsen KA, et al. 2016湿度・気温と肌に関する既存の研究文献をまとめた総説低い湿度・低い気温は肌のバリア機能を全体的に低下させ、物理的な刺激にも弱くする新しい実験ではなく研究の整理。指先に限った結論ではない
Bauer A, et al. 2018(コクランレビュー)仕事で手荒れの危険がある健康な人(9試験・2,888人)保湿剤・保護クリーム・教育などの効果をまとめて評価保湿剤を使った群で手荒れになったのは13%、使わなかった群は19%(意味のある予防効果があるかもしれない)根拠の質は低く、結果は不確か。家庭での手荒れを調べたものではない
Augustin M, et al. 2019乾燥肌の診療(ドイツの皮膚科医による提言)文献の確認と専門家の合意ひび割れには尿素やデクスパンテノールなどが例。乾燥が強いほど油分の多い製品を専門家の提言で、個別の臨床試験の結果ではない

ささくれ・指先のひび割れを防ぐにはどうする?

ここからは、今日から始められる指先のケアをご紹介します。どれも特別な道具は必要なく、忙しい毎日の中で取り入れやすいものばかりです。

ハンドクリームはいつ塗る?

AADは、乾燥肌の人に向けて、入浴のあと、手を洗ったあと、そして肌が乾いたと感じたときに保湿剤を塗るようすすめています。手の乾燥には、べたつきにくいハンドクリームを持ち歩き、手を洗うたびに塗るとよいとしています。

参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

保湿が手荒れの予防に役立つかを調べた研究もあります。2018年のコクランレビュー(多くの試験を決まった方法でまとめて評価する論文)では、仕事で手が荒れやすい健康な人を対象にした試験9件(2,888人)をまとめました。保湿剤について調べた試験(3件・507人)では、保湿剤を使ったグループで手荒れになったのは13%、使わなかったグループでは19%でした。著者らは、保湿剤には意味のある予防効果があるかもしれないとしています。

参考:Bauer A, et al. Interventions for preventing occupational irritant hand dermatitis. Cochrane Database Syst Rev. 2018;4:CD004414.

ただし、このレビューでは根拠の質は低く、結果は不確かだとされています。また、金属加工や清掃、調理、看護、美容などの職場で働く人が対象で、家庭での手荒れを調べたものではありません。それでも、こまめな保湿は、手荒れを防ぐための取り入れやすい方法の一つといえるでしょう。キッチンや洗面所、バッグの中など、手を洗う場所のすぐそばにハンドクリームを置いておくと、塗り忘れを防ぎやすくなります。

どんな保湿剤を選ぶ?

AADは、乾燥肌には、ローションよりもクリームや軟膏のほうがうるおいを与えるのに役立つとしています。成分の例として、グリセリン、ワセリン、シアバター、ジメチコンなどを挙げ、香料が入っていない製品を選ぶようすすめています。

参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

指先のひび割れには、ドイツの皮膚科医たちがまとめた乾燥肌の診療についての提言も参考になります。この提言では、保湿剤は「水分を補う成分」と「油分を補う成分」の両方を含むものがよく、肌が乾いているほど油分の多い製品を使うのがよいとしています。また、症状に合わせて成分を選ぶことが大切だとして、ひび割れ(亀裂)には尿素やデクスパンテノールを含むものを例として挙げています。乾燥肌への効果については、尿素の根拠がもっとも多いとしています。

参考:Augustin M, et al. Diagnosis and treatment of xerosis cutis – a position paper. J Dtsch Dermatol Ges. 2019;17 Suppl 7:3-33.

日中は、べたつきにくく作業のじゃまになりにくいハンドクリーム、夜寝る前は、こってりしたクリームやワセリンを指先にていねいに塗るなど、時間帯で使い分けるのも一つの方法です。ただし、すでに割れて血が出ている部分では、尿素などの成分がしみることがあるといわれています。しみる場合は使用を控え、皮膚科で相談しましょう。

夜のお手入れで気をつけることは?

寝ている間は水仕事をしないため、保湿剤が長く肌にとどまりやすい時間です。夜は、指先や爪のまわり、関節のしわに、少し多めのクリームやワセリンをなじませるとよいといわれています。綿の手袋をはめて寝ると、寝具に保湿剤が移りにくくなる、という工夫もよく紹介されています。この方法そのものの効果を確かめた研究は今回見つけられませんでしたが、無理のない範囲で試してみるのはよいでしょう。

また、AADは、家の中の空気、とくに寝室の空気を加湿器でうるおすことをすすめています。加湿器はカビが生えないよう、こまめに掃除するよう注意しています。

参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

手袋で手を守る?

AADは、皿洗いや庭仕事のときは手袋をして、水や冷たく乾いた空気から手を守るようすすめています。爪についても、水に長くふれると爪が弱くなり、割れたりはがれたりする原因になるとして、掃除や洗い物のときに手袋をすることと、手洗いのあとに保湿することをすすめています。

参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

参考:American Academy of Dermatology. 11 dermatologists’ tips for healthy nails.

洗い物のときはゴム手袋、外出時は防寒用の手袋、と使い分けるとよいでしょう。ゴム手袋の中が蒸れる場合や、ゴムでかぶれやすい方は、中に綿の手袋をはめると、肌への負担を減らせるといわれています。

手の洗い方はどう見直す?

AADは、乾燥肌の人に向けて、熱すぎないお湯を使い、洗浄料は必要なところだけに使うこと、そしてタオルでこすらずに、やさしく押さえて水気をとることをすすめています。乾いた肌をこすると刺激になるためです。

参考:American Academy of Dermatology. Dermatologists’ top tips for relieving dry skin.

先ほどの研究のように、洗浄成分で何度も洗うことは、肌への刺激になりやすいと考えられます。手洗いはとても大切ですが、汚れが目立たない外出先などでは、アルコール消毒を使い、そのあとに保湿をするのも一つの方法です。

ささくれができたらどうする?

ささくれができたら、引っぱってちぎらないようにしましょう。AADは、まず石けんと水で手をよく洗い、爪切りや小さなはさみで、めくれた皮を切り取るようすすめています。また、爪のまわりの甘皮(あまかわ)は爪の根元を守っているため、切ったり押し上げたりしないほうがよいとしています。

参考:American Academy of Dermatology. Teaching your child healthy nail care.

切ったあとは、ハンドクリームやワセリンで爪のまわりを保湿しておくと、まわりの皮がかたくなりにくいと考えられます。ささくれのまわりが赤くはれたり、うんだり、ズキズキ痛んだりする場合は、感染している可能性があります。そのようなときは、早めに皮膚科を受診しましょう。

皮膚科を受診する目安は?

AADは、爪に変化があったり、はれたり、痛みがあったりする場合は、深刻な爪のトラブルのサインのことがあるため、皮膚科医に相談するようすすめています。

参考:American Academy of Dermatology. 11 dermatologists’ tips for healthy nails.

保湿や手袋などのケアを続けても指先のひび割れがよくならない、かゆみや赤み、水ぶくれがある、血が出るほど割れているといった場合は、手湿疹(主婦湿疹)など、治療が必要な状態のこともあります。自分だけでがまんせずに、皮膚科で相談してください。

今日からできる指先ケアのまとめ

ケアやり方の目安期待できること根拠の強さ・注意点
こまめな保湿手洗い・入浴のあと、乾いたと感じたときにハンドクリームを塗る水分と油分を補い、手荒れを防ぐ助けにAADが推奨。職場の手荒れでは予防効果の可能性(根拠の質は低い)
保湿剤の選び方ローションよりクリーム・軟膏。乾燥が強いほど油分多め。ひび割れには尿素・デクスパンテノール配合品が例乾燥の強さに合ったうるおい補給AAD・ドイツの専門家提言。割れて痛む部分は、しみる成分に注意
夜の重ね塗り寝る前に指先・爪のまわりへ多めに塗る。寝室は加湿保湿剤が長く肌にとどまりやすい加湿はAADが推奨。綿手袋の効果を確かめた研究は見当たらず
手袋をする洗い物・掃除はゴム手袋(蒸れる・かぶれるなら綿手袋を下に)。外出時は防寒手袋水・洗剤・冷たい空気から手と爪を守るAADが推奨
洗い方の見直し熱すぎないお湯、洗浄料は必要な分だけ、タオルで押さえ拭き油分のうばいすぎ・こすれの刺激を減らすAADが推奨。洗浄成分はアルコールより刺激が大きいという研究あり(15人の試験)
ささくれの処理ちぎらず、手を洗ってから爪切り・小さなはさみで切る。甘皮は切らない感染のリスクを減らすAADが推奨。赤み・はれ・うみがあれば皮膚科へ

指先の乾燥を内側から支える方法はある?

ここまでお伝えしたとおり、指先の乾燥とひび割れのケアの基本は、こまめな保湿と、水や洗剤から手を守ることです。そのうえで、「外側からのケアに加えて、食生活など体の内側からも肌のうるおいを支えたい」という方に向けて、補足として食用ツバメの巣の研究をご紹介します。

ささくれや指先のひび割れそのものに対するツバメの巣の働きを調べた研究は、私たちが調べたかぎりではまだありません。一方で、ツバメの巣は、人が食べたときの肌のうるおいやシワについて、ヒトを対象にした研究が報告されている数少ない食品素材の一つです。

ツバメの巣を食べた人の肌の研究は?

2022年に韓国で行われた研究では、目元にシワのある40〜60歳の女性を対象に、ツバメの巣の抽出物(1日100mg)か、見た目が同じで有効成分を含まない食品(プラセボ)のどちらかを12週間とってもらいました。どちらをとっているか、参加者にも研究者にもわからないようにした、信頼性の高い方法(ランダム化二重盲検プラセボ対照試験)です。105人が登録し、86人(各群43人)が解析されました。

その結果、目尻のシワの指標が、プラセボ群とくらべて改善したと報告されています。一方で、肌の水分量は、プラセボ群と有意な差がありませんでした。重大な副作用は報告されていません。

参考:Kim HM, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study. Front Pharmacol. 2022;13:843469.

2026年に発表された研究では、成人を対照群とツバメの巣を食べる群に分けて90日間くらべたところ、人では角層の水分量・弾力・つやが、対照群より改善したと報告されています。ただし、この研究はプラセボを使っておらず(評価する人だけが、どちらの群かわからない方法)、人数も限られています。また、ツバメの巣に関わる企業から資金提供を受けています。なお、この論文で報告されているコラーゲンに関わる指標やヒアルロン酸の増加、肌から逃げる水分の抑制は、8か月間のマウスの実験での結果で、人で確かめられたものではありません。

参考:Zhang W, et al. Dietary edible bird’s nest improves skin hydration by upregulating EGFR-AQP5 pathway. J Funct Foods. 2026;140:107266.

肌のバリアに関わる研究は?

指先の荒れの背景にある「肌のバリア」については、細胞や動物での研究が進められています。2021年の香港の研究では、人の肌の細胞(培養した角化細胞)にツバメの巣のエキスや、酵素で分解したものを加えたところ、角層のバリアに関わる「フィラグリン」「フィラグリン2」というたんぱく質が大きく増えたと報告されています。酵素で分解したもののほうが、その働きが強く見られました。

参考:Lai QWS, et al. Edible Bird’s Nest, an Asian Health Food Supplement, Possesses Moisturizing Effect by Regulating Expression of Filaggrin in Skin Keratinocyte. Front Pharmacol. 2021;12:685982.

また、2021年の韓国の研究では、毛のないマウスに紫外線(UVB)を当てながら規格化したツバメの巣のエキスをとらせ、あわせて細胞でも調べました。その結果、うるおい成分のヒアルロン酸をつくる働きや、セラミドをつくる酵素の働きが高まり、肌の水分量が増えたと報告されています。この研究には、原料に関わる企業の社員・代表者が著者として参加しています。

参考:Kim OK, et al. Standardized Edible Bird’s Nest Extract Prevents UVB Irradiation-Mediated Oxidative Stress and Photoaging in the Skin. Antioxidants (Basel). 2021;10(9):1452.

これらは細胞やマウスでの研究で、人が食べたときに同じことが起こると確かめたものではありません。それでも、水仕事や乾燥で弱りやすい肌のバリアやうるおいの仕組みに関わる研究として、今後の研究が期待されています。

なお、ツバメの巣にはシアル酸という成分が多く含まれています。ただし、シアル酸がシワやうるおいに関わる「原因成分」であることが人で示されたわけではなく、シアル酸などの働きについては、主に細胞や動物での研究の段階です。

ツバメの巣に関する研究のまとめ

研究(著者・年)対象・人数方法・期間わかったこと注意点(研究の限界)
Kim HM, et al. 2022目元にシワのある40〜60歳の女性(登録105人・解析86人)ツバメの巣抽出物100mg/日またはプラセボを12週間(二重盲検)目尻のシワの指標がプラセボ群より改善。重大な副作用の報告なし肌の水分量はプラセボ群と有意差なし。指先・手を調べた研究ではない
Zhang W, et al. 2026成人(対照群とツバメの巣群)ツバメの巣を90日間摂取し比較人で角層水分量・弾力・つやが対照群より改善プラセボなし(評価者のみ盲検)、人数が限られる、関連企業の資金提供あり。ヒアルロン酸などの結果はマウス実験
Lai QWS, et al. 2021人の肌の培養細胞ツバメの巣エキス・酵素分解物を細胞に加えるバリアに関わるフィラグリン・フィラグリン2が増加細胞実験。食べたときの効果はわからない
Kim OK, et al. 2021紫外線を当てた毛のないマウス・培養細胞規格化したツバメの巣エキスを与えるヒアルロン酸合成・セラミド合成酵素の働きが高まり、肌の水分量が増加動物・細胞実験。原料関連企業の関係者が著者に含まれる

ツバメの巣は、ハンドクリームや手袋の代わりになるものではありません。けれども、毎日の外側からのケアをしっかり続けながら、内側からも肌のうるおいを支えたい方にとって、研究が進められている食品素材の一つです。HESTIAPのツバメの巣スティックゼリーは食品で、上の研究で使われたものと同じ製品ではありません。成分や続け方に納得したうえで、毎日の食生活に取り入れる選択肢の一つとして考えていただければと思います。

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50代・NMさん

ゼリーを1日2本 朝と夜寝る前に食べてます。
3週間程経った頃 手の甲が以前よりすべすべしてきたなあという感じがしました。
日が経つごとに 手を洗って拭いた後の手の感触がすべすべもちもちして気持ちがいいんです。
(中略)
最近は手の指の指紋がなくなった?!と思う程指先までつるつるでびっくりです。

50代・Yさん

(中略)次に気が付いた事は、かかとのガサガサがずっと良くなっていました。以前はささくれがひっかかっていたのですが、今はガサガサはあるのですがひっかかりが無くなっていたのです。

※個人の感想です。すべての方に同じ変化や実感が生じることを示すものではありません。

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まとめ

ささくれや指先のひび割れは、もともと乾きやすい手の肌が、水仕事や洗浄料、冬の寒く乾いた空気でうるおいと油分を失い、かたくなることで起こりやすくなると考えられます。研究では、手の甲はどの年代でも水分が逃げやすく、皮脂は年齢とともに減ることが報告されています。また、洗浄成分で洗うことは、アルコール消毒より肌への刺激が大きいという研究もあります。

手を洗ったらすぐにハンドクリームを塗る、洗い物のときは手袋をする、乾燥が強いときは油分の多いクリームや尿素などを含む保湿剤を選ぶ、ささくれはちぎらずに切る。こうした毎日の小さな積み重ねで、指先を乾燥から守っていきましょう。ケアを続けてもよくならないときや、赤み・はれ・痛みがあるときは、皮膚科で相談してください。

よくあるご質問(FAQ)

Q1. ささくれや指先のひび割れは、なぜ冬に増えるのですか?

A. 冬の寒く乾いた空気で、手の肌のバリアが弱まりやすいためと考えられます。湿度や気温に関する研究をまとめた総説では、低い湿度と低い気温は肌のバリア機能を全体的に下げ、こすれなどの刺激にも弱くすると結論づけています。冬はお湯で洗い物をする機会が増え、油分が流れやすいことも関係していると考えられます。
参考:Engebretsen KA, et al. The effect of environmental humidity and temperature on skin barrier function and dermatitis. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30(2):223-249.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文

Q2. 40代になってから指先が荒れやすくなったのは、年齢のせいですか?

A. 年齢による皮脂の減少が関わっている可能性があります。18〜80歳の女性150人を調べた研究では、皮脂の量は年齢とともに有意に減っていました。また、手の甲はどの年代でも水分が逃げやすい場所でした。年齢だけでなく、水仕事や季節の影響も重なると考えられるため、保湿と手袋で手を守ることが大切です。
参考:Luebberding S, et al. Age-related changes in skin barrier function – quantitative evaluation of 150 female subjects. Int J Cosmet Sci. 2013;35(2):183-190.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文

Q3. アルコール消毒は手荒れの原因になりますか?

A. 肌の水分は減りますが、洗浄成分で洗うより刺激は少ないと報告されています。15人を対象にした試験では、アルコールはバリア機能や赤みに有意な変化を起こさず、洗浄成分で洗うより刺激が有意に少ない結果でした。ただし水分は有意に減っていたため、消毒のあとはハンドクリームで保湿しましょう。
参考:Löffler H, et al. How irritant is alcohol? Br J Dermatol. 2007;157(1):74-81.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文

Q4. ささくれはどう処理すればよいですか?

A. ちぎらずに、爪切りや小さなはさみで切り取りましょう。米国皮膚科学会は、まず石けんと水で手をよく洗ってから、めくれた皮を切るようすすめています。かんだりちぎったりすると、感染症の原因になることがあります。甘皮は爪の根元を守っているので切らないようにし、赤くはれて痛む場合は皮膚科を受診しましょう。
参考:American Academy of Dermatology. Teaching your child healthy nail care.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文

Q5. 指先のひび割れには、どんな保湿剤がよいですか?

A. 油分が多めのクリームや軟膏で、ひび割れに合った成分を含むものがおすすめです。ドイツの皮膚科医による乾燥肌の提言では、ひび割れには尿素やデクスパンテノールを含むものを例に挙げ、乾燥が強いほど油分の多い製品がよいとしています。割れた部分がしみる場合は使用を控え、皮膚科で相談しましょう。
参考:Augustin M, et al. Diagnosis and treatment of xerosis cutis – a position paper. J Dtsch Dermatol Ges. 2019;17 Suppl 7:3-33.
2026/10/27 乾燥肌・シワお悩み解決 中西 政文

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療上の診断・治療を目的とするものではありません。指先のひび割れやささくれが長引く場合、赤み・はれ・痛み・かゆみ・水ぶくれがある場合は、皮膚科医にご相談ください。ツバメの巣ゼリーは食品であり、医薬品ではありません。

著者情報

中西 政文(なかにし まさふみ)
乾燥肌・シワ研究チーム 代表
ツバメの巣研究所 所長
ATHENA株式会社 代表取締役(HESTIAP 代表)

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