シワケア
ほうれい線が気になるあなたへ|科学的根拠でわかる原因と、今日からできるシワケア

鏡の中の自分と目が合ったとき、口元にふっと伸びる影が気になる。笑うと、その線がより深くなる気がする。マスクを外す機会が増えて、あらためて気づいてしまった——。ほうれい線の悩みは、年齢を重ねる女性の多くが一度は感じるものです。
「もう年だから仕方ない」と諦めてしまう前に、知っておいていただきたいことがあります。ほうれい線ができる背景には、はっきりとした身体の仕組みがあり、原因を理解したうえで正しくケアをすれば、印象は変わっていくということです。この記事では、ほうれい線ができるメカニズムを科学的な視点からやさしく解説し、今日から始められる具体的なケア方法をご紹介します。
ほうれい線は、なぜできるのか?
ほうれい線は医学的には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれ、実は生まれたときから誰にでもある溝です。それが年齢とともに目立つようになるのには、主に4つの要因が関係しています。
① 真皮のハリ不足:コラーゲン・エラスチンの減少
肌のハリと弾力を支えているのは、真皮にあるコラーゲンとエラスチンという線維です。これらは肌の中の「線維芽細胞」という細胞によって作られていますが、加齢とともに線維芽細胞そのものの働きが低下し、コラーゲンやエラスチンの量が減少していきます。その結果、肌を内側から支える力が弱まり、頬の重みを支えきれずにたるみが生じ、ほうれい線として現れやすくなるのです。
② 紫外線による「光老化」
実は、肌の老化に対する紫外線の影響は非常に大きいとされています。紫外線(特に真皮まで届くUV-A)を浴びると、肌の中で活性酸素が増え、コラーゲンを分解する酵素「マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-1)」の働きが活発になることが、複数の研究で報告されています。MMP-1は本来、古くなったコラーゲンを分解して新しいものに入れ替えるための酵素ですが、紫外線刺激によって過剰に働くと、健康なコラーゲンまで分解してしまい、肌のハリが失われやすくなります。
つまり、日々のちょっとした紫外線対策の有無が、数年後の肌の状態に差を生む可能性があるということです。
③ 表情筋の衰え
頬を支える表情筋が衰えると、肌や皮下脂肪を支えきれなくなり、たるみが進行します。デスクワークやスマートフォンの操作時間が長く、表情を動かす機会が少ない生活を送っていると、表情筋を使う頻度そのものが減り、衰えを後押ししてしまうこともあります。
④ 生活習慣の影響
コラーゲンの質や量は、紫外線以外にも、乾燥・睡眠不足・栄養バランスの乱れ・過度な糖質摂取・喫煙・ストレスなど、日々の生活習慣によっても左右されることがわかっています。ほうれい線は一つの原因だけで生まれるものではなく、これらの要因が複合的に重なって生じるサインなのです。
実際に聞きました|40代・60代女性は、ほうれい線をどう感じている?
ほうれい線の感じ方や、気になり始めるタイミングは人それぞれです。
今回、40代と60代の女性に、ほうれい線について「いつ頃から気になり始めたのか」「どんなことがきっかけだったのか」「どのようなケアをしているのか」を伺いました。
60代女性|40代後半から、鏡や写真を見て気になるように
「40代後半くらいから、ほうれい線が気になり始めました。
鏡を見たときや、写真に写った自分を見て『あれ?』と思ったのがきっかけでした。
肌のハリが落ちてきたこと、頬がたるんできたこと、それから睡眠不足やストレス、食習慣なんかも原因なのかなあと感じています。
これまで化粧水や乳液、美容液、クリームなどで対策をしてきました。
特にレチノール入りのクリームは、何となく良かったような気がしています。」
40代女性|今はまだ気にならなくても、将来を考えてケア
「自分自身はまだ、ほうれい線がそこまで気になってはいません。
ですが、自分の母親を見ると、『自分もそのうち、ああなってしまうのか……』と少し暗い気持ちになってしまうことがあります。
なので、予防の意味で美顔器や美容液、クリームなどでのケアをするようにしています。」
このお二人の話からも、ほうれい線との向き合い方には違いがあることがわかります。
60代女性は40代後半頃から実際の変化を感じてケアを始め、一方の40代女性は、まだ大きな変化を感じていない段階から将来を意識してケアをしています。
また、60代女性が感じている「肌のハリの低下」「頬のたるみ」「睡眠不足やストレス」といった要素は、先ほどご紹介した、ほうれい線が目立ちやすくなる要因とも重なる部分があります。
大切なのは、「気になってから」だけではなく、自分の肌の変化に気づいたタイミングで、無理なく続けられるケアを始めることです。
※上記は個人へのインタビューによる体験・感想です。すべての方に同じ変化や実感が生じることを示すものではありません。
今日から始められる、ほうれい線・シワ対策
原因が複合的であるということは、裏を返せば「外側」と「内側」の両方からアプローチできる、ということでもあります。特別な道具がなくても始められる方法を、今日からできる順にご紹介します。
外側からのケア
- 紫外線対策を一年中の習慣にする:曇りの日や室内でも紫外線は届きます。日焼け止めは季節を問わず毎日塗ることが、将来のハリを守る一番シンプルな投資です。
- 保湿を「与える」だけでなく「閉じ込める」:化粧水で水分を補うだけでなく、乳液やクリームで蓋をすることで、乾燥によるキメの乱れやシワの深化を防ぎやすくなります。
- 摩擦を減らす洗顔・スキンケア:ゴシゴシこする洗い方や強いタッチでのお手入れは、肌への負担になり、たるみを進める一因になり得ます。泡でやさしく包む、コットンでこすらないなど、日々の摩擦を見直しましょう。
- 表情筋を意識的に動かす:「あ・い・う・え・お」を大きく口を動かして発音する、頬を膨らませたりへこませたりする、といった簡単な運動を1日数分続けるだけでも、表情筋を使う習慣づけになります。
内側からのケア
- たんぱく質とビタミンCを一緒に摂る:コラーゲンの材料はたんぱく質ですが、体内でコラーゲンを合成する際にはビタミンCが欠かせません。肉や魚、大豆製品と、パプリカや果物などを組み合わせて摂ることを意識しましょう。
- 抗酸化成分を味方につける:紫外線でつくられる活性酸素は、ビタミンA・C・Eやポリフェノールなどの抗酸化成分で対処しやすくなるといわれています。彩り豊かな野菜や果物を意識的に取り入れましょう。
- 質のよい睡眠をとる:肌の生まれ変わりは、眠っている間に活発になります。就寝前のスマートフォン使用を控える、就寝・起床時間を一定にするなど、睡眠の「質」を整える工夫も効果的です。
- こまめな水分補給:肌の水分保持にはうるおいだけでなく、身体全体の水分バランスも関係しています。喉が渇く前に、こまめに水分をとる習慣をつけましょう。
こうした一つひとつのケアは地味に感じるかもしれません。しかし、原因が「複合的」である以上、対策も一つに絞らず、無理のない範囲で組み合わせていくことが、ほうれい線をやわらげる一番の近道です。
さらに根本からケアしたい方へ:注目の成分「ツバメの巣(燕の巣)」
ここまでご紹介したケアを続けていくなかで、「もう一歩、根本から働きかけたい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そうした方の選択肢として、近年、美容領域で科学的な研究が進んでいるのが「ツバメの巣(燕の巣)」です。
ツバメの巣は、アナツバメという鳥の唾液から作られる巣で、古くから中国などで美容・健康のために食されてきた食材です。近年の研究により、その働きが少しずつ科学的に明らかになってきています。
シワ・ハリへの働きが臨床試験で報告されている
韓国で行われた40〜60代の女性を対象とするランダム化二重盲検プラセボ対照試験(Frontiers in Pharmacology誌, 2022年)では、ツバメの巣エキスを12週間継続摂取したグループにおいて、摂取前と比べてシワの数値が有意に減少したことが報告されています。肌の弾力・水分量などの評価と合わせて、安全性についても大きな問題は見られなかったとされています。
うるおいや真皮のコラーゲン密度への働きも報告
2026年に発表された研究では、ツバメの巣の継続摂取が肌の水分保持に関わる「EGFR-AQP5」という経路の働きを高め、乾燥や小ジワが気になる健康な成人の肌の水分量・弾力・真皮のコラーゲン密度の改善につながる可能性が示されています。
「シアル酸」と「EGF様成分」がカギ
ツバメの巣には「シアル酸」という成分が豊富に含まれており、これはツバメの巣の主要な機能性成分の一つとされています。さらに、肌細胞の増殖やターンオーバーに関わる「EGF(上皮成長因子)様の活性」を持つ成分が含まれることも報告されており、抗炎症作用・抗酸化作用とあわせて、肌のうるおいやハリをサポートする働きが注目されています。
つまりツバメの巣は、これまでご紹介した「たんぱく質+ビタミンC」「抗酸化」「保湿」といったケアの方向性を、一つの食材でまとめてサポートしてくれる可能性がある、根本からのケア方法だといえます。毎日の食事や睡眠を整えることに加えて、こうした成分を上手に取り入れることが、遠回りに見えて実は着実な選択肢になるかもしれません。
手軽に続けたい方へ
とはいえ、ツバメの巣を毎日の食卓に取り入れるのは、決して簡単なことではありません。下処理や調理に手間がかかるため、継続のハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。
そうした方には、手軽に続けられる「ツバメの巣ゼリー」という形状も選択肢の一つです。ケアは、続けてこそ意味があります。ご自身の生活リズムに無理なく取り入れられる形を探してみてください。
▶ ツバメの巣ゼリーの詳細はこちら: https://hestiap.jp/
まとめ
ほうれい線は、コラーゲン・エラスチンの減少、紫外線による光老化、表情筋の衰え、生活習慣という複数の要因が積み重なって生じるものです。裏を返せば、原因を理解し、外側と内側の両方から無理なくケアを続けることが、印象を変えていく一番の近道になります。
今日ご紹介した保湿・紫外線対策・食事・睡眠といった基本のケアに加えて、ツバメの巣のような根本からのケアも選択肢に入れながら、ご自身に合った続けやすい方法を見つけていただければ幸いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. ほうれい線が目立つようになる主な原因は何ですか?
ほうれい線は医学的には鼻唇溝(びしんこう/nasolabial fold)と呼ばれ、若い人にも見られる顔の解剖学的な溝です。
加齢によって目立ちやすくなる背景には、単に「表情筋が衰える」だけではなく、皮膚、皮下脂肪、筋肉、支持組織、骨格など、中顔面の複数の組織の変化が関係しています。
ほうれい線の周辺をマイクロCTと組織観察で詳しく調べた解剖学的研究では、この部分が皮膚・筋肉・脂肪・線維性の組織などが複雑に配置された構造であることが確認されています。同研究では、加齢に伴う脂肪組織の大きさや分布の変化が、ほうれい線を深くする一因になりうると考察されています。
また、顔の皮下脂肪は一枚の層ではなく、複数の「脂肪区画(fat compartment)」に分かれていることが解剖学的研究で示されています。このうち深部の脂肪区画は中顔面を支える役割を担うとされ、加齢に伴って脂肪区画の量や位置関係が変化します。こうした中顔面のボリュームや支持構造の変化も、ほうれい線が目立つ一因と考えられています。
そのため、「コラーゲンが減ったから」「表情筋が衰えたから」という一つの原因だけで説明するのではなく、皮膚の加齢・光老化に、脂肪区画や支持組織など中顔面全体の変化が加わることで目立ちやすくなる、と考えるほうが適切です。
なお、乾燥はほうれい線そのものを形成する主な原因とは言いにくいものの、肌表面の細かなシワ(小ジワ)やキメの乱れを目立たせ、口元の老化印象を強める可能性があります。
参考文献
Kwon HJ, O J, Cho TH, Choi YJ, Yang HM. The Nasolabial Fold: A Micro-Computed Tomography Study. Plast Reconstr Surg. 2020;145(1):71-79.
Rohrich RJ, Pessa JE. The fat compartments of the face: anatomy and clinical implications for cosmetic surgery. Plast Reconstr Surg. 2007;119(7):2219-2227.
Rohrich RJ, Avashia YJ, Savetsky IL. Prediction of Facial Aging Using the Facial Fat Compartments. Plast Reconstr Surg. 2021;147(1S-2):38S-42S.
2026/08/8 出口詩朋子
Q2.紫外線はほうれい線を深くする原因になりますか?
紫外線による光老化は、顔のシワや弾力の低下に関係する重要な要因です。
ただし、「紫外線がほうれい線そのものを直接深くする」ことを示した臨床研究があるわけではありません。
紫外線(UVA・UVB)への慢性的な曝露は、真皮のコラーゲンなどの細胞外マトリックスに影響します。ヒトの皮膚を用いた研究では、紫外線によってMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)というコラーゲンなどを分解する酵素が増加することが確認されています。
また、オーストラリアで55歳未満の成人903人を約4.5年間追跡した無作為化比較試験では、広域スペクトル(UVA・UVBの両方に対応)の日焼け止めを毎日使用した群は、使用を各自の判断に任せた群に比べて、皮膚老化の進行が24%少なかったと報告されています。
なお、この試験では皮膚老化を手の甲の皮膚表面の細かな凹凸(マイクロトポグラフィー)で評価しており、顔のほうれい線を直接評価したものではありません。
したがって、日焼け止めでほうれい線を直接消すことはできない一方で、紫外線による光老化の上乗せを減らすことは、将来の肌老化を抑えるうえで重要、と考えるのが適切です。
季節にかかわらず、日常的に顔全体を紫外線から守る習慣を続けましょう。
参考文献
Fisher GJ, Voorhees JJ. Molecular mechanisms of photoaging and its prevention by retinoic acid: ultraviolet irradiation induces MAP kinase signal transduction cascades that induce Ap-1-regulated matrix metalloproteinases that degrade human skin in vivo. J Investig Dermatol Symp Proc. 1998;3(1):61-68.
Hughes MCB, Williams GM, Baker P, Green AC. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013;158(11):781-790.
2026/08/8 出口詩朋子
Q3.ほうれい線対策として自宅でできることは何ですか?
自宅でできる基本的な対策としては、紫外線対策をする、乾燥を防ぐ、強い摩擦を避ける、といった肌への基本ケアを優先するとよいでしょう。
ここで注意したいのが、いわゆる「表情筋トレーニング」「顔ヨガ」です。「あ・い・う・え・お」と大きく口を動かすことでほうれい線が改善するといった情報がありますが、十分な臨床的根拠は確立していません。
実際、18人を2つのグループに分け、9人が7週間毎日顔のエクササイズを行い、行わなかったグループと比較した研究があります。額、ほうれい線、上唇、フェイスラインなどを評価しましたが、エクササイズを行ったグループと行わなかったグループの間に統計的に有意な差は認められず、研究者は顔のエクササイズが有効であるとは結論づけられないとしています。
一方、中年女性を対象に20週間の顔のエクササイズを行った別の小規模なパイロット研究では、頬のふくらみの改善や、見た目年齢が約3歳若く評価されたことが報告されています。ただし、参加登録27人のうち最後まで実施したのは16人と規模が小さく、比較対照となるグループのない研究です。また、使用したエクササイズプログラムの考案者が共著者に含まれており、ほうれい線への効果を確立したものではありません。
したがって現時点では、「表情筋を鍛えればほうれい線が改善する」と断定するのは避けたほうがよいでしょう。
自宅ではまず、保湿・日焼け止め・強くこすらないケアを毎日継続することを基本とし、深いほうれい線について大きな改善を希望する場合は、美容皮膚科などで相談する方法があります。
参考文献
De Vos MC, Van den Brande H, Boone B, Van Borsel J. Facial exercises for facial rejuvenation: a control group study. Folia Phoniatr Logop. 2013;65(3):117-122.
Alam M, Walter AJ, Geisler A, et al. Association of Facial Exercise With the Appearance of Aging. JAMA Dermatol. 2018;154(3):365-367.
2026/08/8 出口詩朋子
Q4.ほうれい線対策では食事や睡眠も重要ですか?
食事や睡眠は健康な肌を維持するうえで大切ですが、特定の食品を食べたり睡眠時間を増やしたりするだけで、ほうれい線が薄くなると示した研究はありません。
食事については、米国の40〜74歳の女性4,025人を対象とした観察研究で、ビタミンCの摂取量が多いことが、シワのある外観や加齢による肌の乾燥が見られにくいことと関連していました。
ただし、これは観察研究なので、「ビタミンCを多く取ればシワが改善する」という因果関係を示したものではありません。
また、タンパク質は皮膚を含む体の組織をつくるために必要な栄養素ですが、「コラーゲンの材料だからタンパク質を増やせば、ほうれい線が改善する」と単純に考えることもできません。
睡眠については、健康な白人女性60人を対象に、睡眠の質が低く睡眠時間が5時間以下のグループと、睡眠の質が良好で7〜9時間眠るグループを比較した研究があります。睡眠の質が低いグループは、経皮水分蒸散量(TEWL:肌から蒸発する水分量)が高く、皮膚バリアの回復も遅かったことが報告されています。
一方、水分摂取についても「水を大量に飲めばシワやほうれい線が改善する」という根拠はありません。
そのため、特定の美容食品に偏るのではなく、十分な栄養を含むバランスのよい食事、慢性的な睡眠不足を避けること、必要な水分を取ることを、肌と全身の健康を支える基本的な生活習慣として考えるとよいでしょう。
参考文献
Cosgrove MC, Franco OH, Granger SP, Murray PG, Mayes AE. Dietary nutrient intakes and skin-aging appearance among middle-aged American women. Am J Clin Nutr. 2007;86(4):1225-1231.
Oyetakin-White P, Suggs A, Koo B, et al. Does poor sleep quality affect skin ageing? Clin Exp Dermatol. 2015;40(1):17-22.
2026/08/8 出口詩朋子
Q5.ツバメの巣は、ほうれい線やシワのケアに役立つ可能性がありますか?
ツバメの巣については、顔のシワや肌の水分量などを調べたヒト臨床研究があります。ただし現時点では、「ほうれい線そのものが改善する」と直接確認した臨床試験はありません。
2022年には、目元にシワのある40〜60歳の女性を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験が報告されました。ツバメの巣抽出物100mgまたはプラセボを1日1回、12週間摂取した結果、ツバメの巣群では目尻周辺のシワについて、プラセボ群と比べて改善が報告されました(105人が登録され、解析対象は各群43人ずつの計86人です)。一方、肌の水分量については、プラセボ群との間に統計的に有意な差は認められていません。
また、この研究は目尻周辺のシワを評価したもので、ほうれい線を評価項目として調べた試験ではありません。
さらに、2026年に発表された別の研究では、健康な成人を対照群とツバメの巣群に分け、90日間摂取した結果、ツバメの巣群で角層水分量や皮膚の弾力、コラーゲンに関連する指標などの改善が報告されています(同論文にはマウスを用いた実験も含まれています)。ただし、この試験にはプラセボが設定されておらず(評価者側のみを盲検化)、対象人数も限られ、ツバメの巣を扱う企業から資金提供を受けています。
こちらについても、ほうれい線への効果を直接調べた試験ではありません。
なお、ツバメの巣にはシアル酸を含む糖タンパク質などの成分が含まれていますが、シアル酸がツバメの巣によるシワ改善の原因成分であることが、ヒト試験で示されたわけではありません。
したがって現時点では、ツバメの巣には顔のシワや肌の水分量などに関するヒト研究がある一方で、ほうれい線への効果が直接示されているわけではない、と分けて説明するのが適切です。
毎日の紫外線対策や保湿、バランスのよい食生活などを基本にし、そのうえでツバメの巣を内側からの美容習慣の補助的な選択肢として考えるとよいでしょう。
参考文献
Kim HM, Lee YM, Kim EH, et al. Anti-Wrinkle Efficacy of Edible Bird’s Nest Extract: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Comparative Study. Front Pharmacol. 2022;13:843469.
Zhang W, Wang D, Zhang Y, et al. Dietary edible bird’s nest improves skin hydration by upregulating EGFR-AQP5 pathway. J Funct Foods. 2026;140:107266.
2026/08/8 出口詩朋子
※本記事は美容・健康に関する一般的な情報提供を目的としたもので、医療上の診断・治療を目的とするものではありません。ほうれい線について医療的な改善を希望する場合は、皮膚科・美容皮膚科などの医師に相談してください。
著者情報
出口 詩朋子(でぐち しほこ)
乾燥肌・シワ研究チーム 研究員
ツバメの巣研究所 研究員
ATHENA株式会社(HESTIAP 美容リサーチャー)



